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そんな年にホグワーツに入学したトム・リドル少年は、やはり困惑していた。
組み分けられたスリザリンは、まずまず期待に副った場所だった。
純血主義が蔓延り、自分は特別であり、他の者より上の存在だと信じて疑わない。
スリザリンとはそんな人間の集まりであり、事実魔法界の貴族たる者たちがこの寮には集っている。
リドルは今まで周りの人間を見下しに見下して生きてきたが、ここにはそうしなくてもいいと思えるような先輩もちらほらいた。
監督生で首席のアブラクサス・マルフォイなどがそれだ。
組み分け後の宴で彼の落ち着きながら高貴な物腰を見て、「この人に従っておけば悪いことはない」と。
「この寮の王はこの人なのだな」と理解した、そのときだった。
「イヤァ、すみませんね！ハンゾーを捕まえるのに手間取りまして！」
大広間の入口の方からバァン！と爆発音が聞こえたと思ったら、閉ざされていたはずの扉が開け放たれて4人の少年少女がその場に佇んでいた。
「ああ、セブン君。ご苦労」
「いえ。校長の頼みならお安い御用ですよ」
そう快活に言った彼のネクタイは緑色。
そして彼の他の3人もそれぞれ色が違っていて、とにかく異様な光景を見せられていることだけはわかる。
セブンと呼ばれた男子生徒の右手には鎖が握られていて、それは他の男子生徒2人の手首にかけられた手錠に繋がっていた。
女子生徒も一人いたが、彼女の手は手錠の代わりにセブンの手ががっちりと掴んでいる。
リドルや他の1年生は呆気に取られていたが、上級生たちは「またか」といった様子で早々にざわめきを取り戻した。
もっとも、そのざわめきは新入生に状況を説明するためのものであった。
マルフォイも灰色の瞳を呆れたように彼らに向けて、隣に座るリドルや近くの1年生に説明してくれた。
「彼らはホグワーツ4寮の寮長たちだ。知っておいて損はないが、特にハッフルパフの寮長には近づかない方がいい」
リドルは首を傾げた。
スリザリンの王様がハッフルパフ生を警戒している。
彼は、汽車の中で知り合ったエイブリーやレストレンジからハッフルパフは劣等生の集まりなのだと聞いたばかりだった。
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作者名：みや。 | 作成日時：2023年1月31日 12時
