ページ ページ15
.
「ロンとハリーのこと、どう思う？」
「大バカたちよ！私たちが気にすることじゃないわ」
ハーマイオニーは憤慨して言ったが、ユリには本心ではないとわかる。
二人が大喧嘩したのを、彼女はすごく心配しているのだ。
「ハリーは、すごいよね」
「え？」
「あんなに怒るの。ロンのこと、よっぽど信じてたんだよね。私だったらびちゃびちゃに泣くだけだよ」
ユリが言うと、ハーマイオニーは口をつぐんで、それきり二人のことは話題に上がらなかった。
きっちり五分いろいろなこと……第一の課題とか、「魔法薬学」を抜け出してしまったこととか、を話して、そしてマダム・ポンフリーに追い出される。
ユリは医務室のすぐ外でカバンを抱えて立ち尽くした。
今更地下牢に戻っても無駄にグリフィンドールの点が減らされるだけだ。
それに、彼女は今スネイプのことを、確かに怖がっていた。
この間の個人授業。
想像よりずっと、ハードなものだった。
三時間ぶっ続けに「開心術」をかけられ、ユリの大切な思い出のそこら中にスネイプが割り込んできた。
嫌悪感ではないが、とにかく恐いのだ、それが。
近所の公園の隅に、いつの間にかスネイプが佇んでいたりする。
初恋の九之助の顔が、突然スネイプに変わったりする。
そして最後の最後、つい最近の出来事。
ユリがスネイプへの気持ちを自覚する直前、ユリは必死になってスネイプを閉め出した。
それでやっと授業は終わったのだ。
ヨシ、と切り替えて図書館へ行くことにする。
校内はちらほら人がいるばかりで、図書館には見える範囲には誰もいなかった。
本棚の列に入って、背表紙のタイトルを追う。
何か興味の引くものはと探している途中、ふと気がついて顔を横に向けた。
曲がった目立つ鼻。
濃い、黒い眉。
ビクトール・クラムだ。
ロンが言っていた。
最近ずっと図書館に入り浸っているのに、ハーマイオニーが文句を溢している。
じいちゃんの母校、ダームストラングの代表選手。
その彼が、こちらを向いてじっと立っていた。
と思えば、猫背をそのままにノシノシと寄ってくる。
まさか近づいてくると思わなかったユリは、その何とも言えない迫力に気圧されて俯く。
下の方の段を見ているフリをしていると、影がかかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 835人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - いっぱいちゅき！ (2023年2月12日 23時) (
レス) @page46 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - 不死鳥の騎士団編がみたいだけなのにTwitter運営さんはそれを許してくれないようですかなし (2023年2月12日 14時) (レス) id: 29bd455e8b (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - みや。さん» ま、また凍結されてますね、、、ついてないですね、、、🥺 (2023年2月12日 14時) (レス) @page46 id: 29bd455e8b (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - みやさんの不死鳥の騎士団見たいですね(๑•̀ㅁ•́ฅ✨ (2023年2月11日 19時) (レス) @page46 id: b396ddc2bf (このIDを非表示/違反報告)
みや。(プロフ) - ダイアナさん» 一週間が経ってしまったので、移行しました。よろしくお願いします🙌 (2023年2月10日 13時) (レス) @page46 id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みや。 | 作成日時：2022年9月21日 19時
