【HP】血は水よりも濃し【アズカバンの囚人】 (ページ5)

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ユリの新学期最初の授業は、「数占い学」だった。

魔法界出身の生徒はチンプンカンプンに受けていたが、ユリはプライマリースクールで算数が一番の得意科目だったのでホクホクしながら受けた。

ハーマイオニーも気に入ったようだ。

そこで、ユリはギョッとして隣を見る。

ハーマイオニーが座っていた。

「『占い学』の授業に行ったんじゃないのッ？」

彼女に近づいて囁くと、ハーマイオニーはしばらく空を向いて何かを考えてから、観念したように口を開いた。

「このこと、マクゴナガル先生に誰にも言わないように言われてるんだけれど……。ユリにならいいわよね。あとで教えるわ」

『逆転時計』を見たユリの目は輝いた。

『逆転時計』がすごいからではない。

ハーマイオニーが、マクゴナガル先生や魔法省を動かすような優秀な友だちであることを再確認できたからだ。

ユリが褒めちぎると、ハーマイオニーは照れくさそうに笑って言った。

「でも、このこと誰にも言っちゃダメよ。あの二人にもダメ」

「わかった。ハーマイオニーは本当にすごいね」

昼食の後は、「魔法生物飼育学」の授業だった。

ハグリッドの着任して初めての授業だ。

そして、グリフィンドールとスリザリンの合同授業であった。

ユリにもこれはマズいとわかる。

どうして、歴史上この二つの寮は不仲だと言われ続けているのに、未だに合同授業を設けているのだろう？

「みんな、ここの柵の周りに集まれ！」

ハグリッドが号令をかけた。

「そーだ……ちゃんと見えるようにしろよ。さーて、イッチ番先にやるこたぁ、教科書を開くこった……」

「どうやって？」

ユリと、もう一人誰かの声が被った。

冷たい気取った声…マルフォイだ。

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