【HP】血は水よりも濃し【アズカバンの囚人】 (ページ30)

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真夜中の「天文学」はやっぱり散々だった。

去年は試験自体無かったのが良いのか悪いのか、一年生から格段に難易度は上がっていて、多分恐らく落第は無い、としか言えないくらいの手応えである。

そして「魔法史」「薬草学」ときて、「闇の魔術に対する防衛術」。

ユリは「天文学」が終わったので気が早いが晴れ晴れとした気分で、それらをパスした。

ボガートと戦うという試験内容もあったが、やはり彼はユリの前に出て来はしなかった。

防衛術の試験終わり、四人は正面玄関の階段のてっぺんに意外な人物を発見した。

コーネリウス・ファッジ魔法大臣が細縞のマントを着て汗をかきながら、校庭を見つめていた。

彼はハリーの姿を見つけて驚いたようだった。

「やあ、ハリー！試験を受けてきたのかね？そろそろ試験も全部終わりかな？」

「はい」

ハリーが答えた。

ハーマイオニーとロン、そしてユリも、魔法省大臣と親しく話すような仲ではないので、後ろのほうで何となくウロウロしていた。

彼のほうも、ユリ・グリンデルバルドには気づいていないようである。

会ったことがあるわけではないので、当然と言えば当然だが。

ハリーとの会話から、彼の目的はヒッポグリフの処刑の立ち会いであるということがわかった。

控訴のあるなしにかかわらず、処刑は決定であると言っているようなものだ。

大臣と別れて四人は昼食に向かった。

周りではみんなが午後には試験が全部終わるのを楽しみに、興奮してはしゃいでいた。

しかし、ハリーとロン、ハーマイオニーにユリは、バックビークのことが心配で、とてもはしゃぐ気にはなれなかった。

ユリの最後の試験は「数占い学」。

それも難なく修め、ハーマイオニーと合流する。

「占い学、遅れてるのかなあ」

ロンもハリーも戻ってくる気配がない。

控訴裁判開始の二時をとっくに過ぎた頃、ロンと、続けてハリーが帰ってきた。

戻ってきたハリーに、ロンがハグリッドからの手紙を握り締め、弱々しく言う。

「バックビークが負けた」

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