【HP】血は水よりも濃し【アズカバンの囚人】 (ページ27)

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「レ、レグルス」

ようやっと正解を出したので、こちらを恐る恐る見たユリに顎をしゃくってそれを星図に書かせる。

しかし、

「ぐぅ……」

また手が止まるのだ。

そんなユリの前に、コトン、と白いティーセットが置かれる。

顔を上げると、スネイプも青い色違いの同じものを手に足を組んでこちらを見ていた。

休憩を許されたと察して、ユリは身体を起こし伸びをした。

「できるようになる気がしなぁい」

そう呑気に言って、スネイプの淹れてくれた紅茶に口をつけた。

机上にはお茶菓子のバターサンドも申し訳程度に置いてあったが、流石に無遠慮に食べるのはと思い、手を出さないでいる。

「誰しも得手不得手はある」

「そうなんですかね。先生は嫌いなことは多いけど苦手なことはなさそう」

「……」

「先生好きなものはあるんですか？誕生日にあげます。てか誕生日いつ？」

「……一月九日」

「ホントに？」

急に疑われて、スネイプは少し驚いて瞬きをした。

誕生日くらい、隠すことはないのに。

しかし彼女は勝手に納得したようで、黙ってカップを傾ける。

スネイプはそこで、菓子が減っていないことに気がついた。

要らぬ気を遣われているのだろうと思い、このまま減らないのも面倒なので、己からそれに手を伸ばす。

自分が食べればあとは彼女が食べると思ったので。

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