【HP】血は水よりも濃し【アズカバンの囚人】 (ページ25)

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ハーマイオニーはすっかり元気になったように見えた。

ロンと仲直りできたし、ハグリッドの悪口を言ったマルフォイをぶったり、「占い学」の授業をやめたりした。

でも、そういいことだけではない。

バックビークの処刑が決まってしまったのだ。

彼がマルフォイを怪我させたことに、ミスター・マルフォイが懸念を示している…という設定らしい。

そんなうちにイースター休暇だ。

休暇と言っても、三年生になった彼らはかつてないほどの宿題を出された。

ネビル・ロングボトムはほとんどノイローゼだったし、他の生徒も似たりよったりだった。

それでもやはり、ハーマイオニーほど抱え込んだ生徒はいない。

ユリは本当に心配したけれど、思ったよりも大丈夫そうに彼女が笑うので、手伝える分は手伝って、あとはバックビークの裁判の控訴の準備をロンと一緒にした。

ハリーは休暇明けにクィディッチの大事な優勝戦を控えているので、そっちのほうで手一杯のようだった。

その努力の甲斐あって、グリフィンドールはクィディッチ杯を頂くことができたが、すぐにそんな場合ではなくなった。

試験が迫っている。

「キューッ」

ユリはついに断末魔をあげた。

「天文学」の難易度が、三年生になって明らかに数段上がっている。

でも、誰かに聞こうにも。

オーロラ先生は相変わらずどこにいるかわからないし、ハーマイオニーは自分の勉強に追われている。

ルーピン先生は昨日の「闇の魔術に対する防衛術」の授業を体調不良で欠席したばかりだ。

代理はやはりあの先生で、今ユリが会いに行こうと腰をあげた目的でもあった。

「ユリ？どこへ行くの」

「スネイプ先生のとこ」

聞いたきりハーマイオニーは興味を失って、自分の勉強に意識を戻した。

このやり取りは一年生の頃から幾度となく繰り返されてきた問答だ。

入り組んだ城の中を迷いもせずに進み、とんとん、と階段を降りて行った先に、その部屋はある。

こんこんこん、と三回ノックをして、大人しく廊下で待った。

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