【HP】血は水よりも濃し【アズカバンの囚人】 (ページ24)

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「じゃあ、やめれば？」

嫌味な言い方ではなかった。

純粋に、素直に、やめればいいと思ったのだ。

それはハーマイオニーにも伝わった。

なので、彼女は怒りはせず、ただ首を横に振るだけだ。

「でも、占い学とあともうひとつやめれば、普通の時間割になるよ。たとえば、マグル学とか……」

「将来何が必要になるかわからないわ」

「占い学いる？」

ハーマイオニーは口をつぐむ。

正直彼女自身、あの教科にはうんざりしていた。

教科書から顔を上げ、少し考えて……そして言う。

「あと一回、授業に出て、それで考えてみるわ」

「そうして」

ユリはニコ、と笑って窓の外に顔を向ける。

少しの沈黙が落ちる。

それを破ったのは、意外にもハーマイオニーだった。

「あのね、ユリ」

「なあに」

「私……私、」

「うん」

「ロンと仲直りしたいって、ずっと考えていたの。でも、どうすればいいかわからないわ」

彼女は少し泣いていた。

ユリはちょっとびっくりして、ハーマイオニーの隣に座りなおして。

「ちゃんと謝れば大丈夫だよ。ロンもそんなイヤな奴じゃないよ」

そうして、ハーマイオニーの栗色の髪をそっと撫でた。

父が、ユリが怒られて泣きながら謝ると、いつもこうしてくれたのを思い出す。

ハーマイオニーも元気を出してくれたみたいで、ユリに向かってにっこり笑った。

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