【HP】血は水よりも濃し【アズカバンの囚人】 (ページ23)

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「ハーマイオニー、起きてー。帰るよ」

その声に目を覚ますと、すっかり日は傾いていた。

ハーマイオニーは寝ぼけたまま顔を上げ、ユリのニコニコ顔を視界に入れ。

状況を理解して、ガタ！と立ち上がった。

そして店を飛び出す。

ユリはアハアハ笑いながらそれを追いかけた。

ハーマイオニーにとって、勉強を全くしない日などというのは、存在していいはずがなかった。

今日がそれになりそうなので、トンデモなく慌てているのだ。

でも、ユリにとってはそういう日はあってもいいので、どうか、今日がハーマイオニーにとってそういう日であってほしかった。

そして、そうなりそうなのでしてやったりだ。

「ユリったら、うそつき！」

「ごめぇん」

「ヘラヘラしてるんじゃないわよッ」

ヘラヘラもするさ。

だって、ともだちがこんなに元気になったんだもの。

帰りの汽車の中で、ユリは『中級変身術』にかじりつくハーマイオニーを、頬杖をついて眺めた。

ふと、トートバッグからのぞく『未来の霧を晴らす』…「占い学」の教科書…が目に入り、何となく口に出してみた。

「ハーマイオニー、占い学嫌いなの？」

「とってもいい加減な教科よ」

あっさり肯定が返ってきて、ユリはびっくりした。

ハーマイオニーが勉学の悪口を言うなんて。

だから、口をついて出たのだ。

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