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「まだ肉が食べたいのに！」
ユリが悲鳴をあげると、隣でハリーが苦い顔をする。
「ウエ、君あれだけ食べてたのにまだ食べ足りないの？」
そう言って糖蜜パイをかじり、彼は目を輝かせた。
「ユリ、これ食べてみなよ！すごく美味しい！」
「私のラムが……」
マァ、甘いものを食べればそんな恨みもすぐに飛ぶ。
ユリはデザートもたくさん食べたが、やはり肉の量には敵わなかった。
彼女は父親のおかげで無類の肉好きなのだ。
「イタッ！」
突然、ハリーが手でパシリと額をおおった。
「どした？」
トライフルに伸ばしていた手を止めユリが尋ねる。
「な、なんでもない」
ユリはハリーの視線の先に気がついた。
ねっとりとした黒髪に真っ黒な瞳の先生が、ターバンを巻いた先生と話している。
「ワーオ……ハリー、あの先生、とってもハンサムだよ」
「なんだって?君今なんて言った？」
「ほらあの、黒い先生」
ハリーとロンが信じられない、という顔でユリを見た。
その視線に気づかず、彼女はトライフルのブルーベリーを口に入れながらそのブラックを見つめる。
「アー、あの人、スネイプ先生だって。魔法薬学の先生だ」
「そう、スネイプ先生。魔法薬学ね、オーケー覚えた……」
ユリは昔から、黒髪に黒い目の男が……女もだが、トニカクそういった人間が好きだった。
自分がそれを持っていないからだ。
初恋は父の友人の息子だという日本人の男だったし。
好きな俳優を語るときも、その俳優にはどこかしら目立った黒があるという有様だ。
でも、ダニエル・ルイスのしっとりした黒髪も、ジョニー・デップの魅力的な黒瞳も、あの教授には敵わない。
そう思った。
「エウ……君ってちょっと……変わってる」
「そう、私は変わってる。昔から言われてた、とうさんにもね。でも、それでいいんだって」
早口で捲し立てて、視線はスネイプに留めたままフォークをいちごへと伸ばす。
しかしそれは空を切った。
フォークが皿に当たる音が虚しく響く。
「また！」
ユリの嘆きが聞こえたのか、スネイプがちら、とユリを見た。
それには気づかず、彼女は立ち上がったダンブルドアに目を向けていた。
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にはろ(プロフ) - 理緒さん» ご意見ありがとうございます！修正しました。今後ユリという名前に関する記述が少し出てくるかと思いますが、無視していただければ大丈夫です。 (2022年4月19日 21時) (
レス) id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
理緒(プロフ) - 名前ってユリになってるんですがリノを使いたいのですが変えれませんか？ (2022年4月19日 10時) (レス) id: 946438c0c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや。 | 作成日時：2022年1月24日 13時
