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「お前たち、部屋で大人しくしていろ。二度はない。今度こそ脳天をカチ割るからな」

「え?私もう既にちょっと割られてるんだけど。見える?脳漿がチョチョ切れてんの」

「それお前のじゃないよ。ゴキブリのだよ」

「うわ。風呂沸かしてくんない?」


以前童磨が双子に聞いてみたことがある。

いつも食ってかかるようだが、無惨が怖くはないのかと。


すると、あっけらかんと小僧共は言うのである。




「え?親父より母ちゃんの方が一万倍怖いよ」




というわけで、生意気な小娘の言葉を無惨は眉間を揉みながらも聞き入れた。


「オラ行け」

「うん。ありがとう。あ、風呂の温度ちょっと熱いかも。四十二度にしてよ」

「それは思った」

「ね。あと馬刺しそろそろ飽きた」

「は?馬刺しはうまいだろ」

「お前のそういうところが二十年前から嫌いだった」



多分アイツらは生粋に頭がおかしいのだろうな。

母親を殺した男をここまで親父親父というのも正気の沙汰ではないと思われる。


あとは、たとえば、この前までの話。


無惨は子供を求めていた頃の感覚が抜けきらずに、今でも毎晩のように女を連れ込んでは殺し、連れ込んでは殺していた。


屍体は童磨が喰うのでよろしい。

中々に愉快なので双子が生まれてからも続けていたが。


やめた。


無惨は飽き性ではない。

むしろ割ととことんやる。

興味を持ったら最後までやる優等生である。



なので、無論やめたのには理由があった。


双子である。





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作者名:にはろ | 作成日時:2021年5月24日 16時

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