カツアゲにあう。 ページ10
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また次の日の昼休み。
花那が面白いニュースを持ち込んできた。
「あのさ、同じクラスに日向っていう男バレの人がいるんだけど！」
烏野の男バレ。
一度だけ全国へも行った、元、強豪。
ただ、今ではすっかり過去の話になってしまっている。
「その人さ、初日から三組の影山って人と喧嘩して教頭のカツラ飛ばして主将怒らせて体育館出禁になったんだって！」(情報過多)
危うく口に含んだリンゴジュースを吹くところだった。
それは果たして無事だったのだろうか。
いや、昨日の昼休み彼奴普通に普通だったよな。
知ってたけど馬鹿すぎるでしょ。
「……体育館出禁って、それ部活出来ないじゃん」
ちひろが呟いたそれは、私も思っていたことだ。
「てか、影山って北一の影山だよね。及川同級生じゃないの？」
「うん。昨日会ったけど全然普通だった」
ちひろの呼び方はさん付けから名字呼び捨てに昇格していた。
「影山って人も有名なの？」
「あれは本当の天才。私初めて試合見た時マジビビった」
その時、開けっ放しの教室の扉から、さらさらストレート黒髪が顔を出した。
「噂をすれば、じゃん」
影山はこの集団を認めると、ずんずん近づいてきた。
「え、何怖いんだけど！」
「うわうわうわうわ」
眉間の皺は相変わらずで、此奴将来大丈夫かとは思う。
「……及川ツラ貸せ」
「カツアゲか？？？」
いつの間にかクラスの視線が集まっている。
まあ教室にこんな怖い男がずかずか入ってきたらそら困るわな。
不意に影山の手が伸びてきて襟首を掴まれると、そのまま引きずられ始めた。
「え、ちょ、A！」
「大丈夫。割といつも通り」
「いつも通り？！」
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作者名：にはろ | 作成日時：2020年3月5日 18時
