嫉妬？。 ページ44
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「お前すげえセッターじゃん！なんでやめるんだよ！」
「えー……なんでも」
「工、落ち着きなさい」
弁慶みたいな感じの人が五色を座らせてくれた。
確か副主将だった気がする。
違ったらごめん。
「大体私がセッターやったら、予選負けなんてさせないし」
「すごい自信だね。俺そういう子好きだヨ！」
「うわあ光栄ですう」
「俺この子好き！」
「……なあここ教えて」
頭のおかしいノリで天童さんとわいわいやっていると、急にテンションが下がった五色がソファーに座りなおして図形の問題を指さした。
それを見た天童さんがにやりと笑って向こうとの会話に戻る。
いらん勘違いされたな。
「……隣に先輩いるんだから教えてもらった方が早いんじゃないの。いちいち教科書見て問題解くの疲れるんだけど」
「俺はお前がいい」
「嬉しいこと言ってくれるねえ」
「べっつに、お前が好きとかではないからな！消去法だからな！消去法！」
「お前属性ツンデレだったの……」
そうしてカフェに二時間近く居座ったところで、解散となった。
しかし、ここで問題が発生する。
「俺が払う」
「割り勘」
「いいや俺が払う」
「そういうの良くない、割り勘」
レジ付近で言い争いが始まってしまった。
「礼ぐらいさせろよ！借りになんだろ！」
「私そんなクズに見える？！別に弱み握ったりしないんだけど！」
「及川徹の妹だろ！」
「一緒にすんな！」
店員さんが微笑ましそうにこちらを見ている。
「黙って奢られとけよ！」
「イケメンかよ……」
結局折れたのは私で、五色に奢ってもらうことにした。
あ、今これしかねえやと五色が取り出したのは万札で、かなりビビった。
「……送ってくか」
「大丈夫。ありがとう」
「……別に。気をつけて帰れよ」
ちょっと奥さん、あの子いつの間にあんなにイケメンになったの？
髪型とバカなのは相変わらずだけど随分たくましくなったんじゃない？
脳内井戸端会議は五色と別れるまで続いた。
ほぼ会話の内容聞いてなかった。ごめんね。
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作者名：にはろ | 作成日時：2020年3月5日 18時
