及川妹、リベロになる。 (ページ41)

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天才かも。ページ41

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「流石白鳥沢だね。これ高2の範囲じゃん死ねよ」

「なんでお前がキレるんだよ」

学校でやってない範囲を出されても困る。

高一にベクトルやらせんなよ。

教科書と五色のノートを必死に解読して、五色が分からないという応用の計算問題を解く。

「あ、やればできんじゃん私天才かも」

「調子乗んな」

「帰るわ」

「待てよ！」

気分を害され席を立つと、咄嗟に腕を掴まれた。

半分冗談だったので席に座りなおすと、ぱっと手を離される。
ピュアボーイか。

一通りヒントを与えた後、うんうん唸っている五色に話しかける。

「そういや、野村花那と知り合いなの？」

「あ？誰それ」

「結構前にロードワークで一緒に猫助けた女子」

「あーうん。お前の事探してた」

果たしてあれを探してたというのかは知らないが。

「そん時私のこと幼馴染って言ったんだって？」

「そんなもんだろ。……あ、いや、別にお前のこと好きとかでは、全然、無いけどな！全然！」

「幼馴染＝好きとは誰も言ってないよね」

急に慌てだした五色が面白くてつい(鼻で)笑うと、笑うなと大騒ぎしたので慌てて諫めた。

「ここカフェだから静かにして」

「お前が変なこと言うからだ！」

「変なこと言ったのは君だけどね」

やっと大人しくなった五色にいろいろ解説をしていると、別の客が隣のテーブルに案内されてきた。

ああ、猛烈に嫌な予感。

「あれ、工じゃーん！」