及川妹、リベロになる。 (ページ22)

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発見する。ページ22

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人気の少ない朝の住宅街で、気づかれないように尾行するのは至難の業だ。

しかも四人の集団。

青年からかなり距離を取り、さらに見失わないように慎重に進んでいくと、静かな住宅街に低い声が響いた。

「ビンゴ」

そっと青年の視線の先を見ると、道路脇のフェンスの近くに青年と同じ真っ赤なジャージの金髪の青年と、日向がいた。

「ビンゴ！」

「ちょ、まっ、しーっ！」

先ほどの青年と同じセリフを叫びながら飛び出した帆夏を、慌てて抑えるが、時すでに遅し。

なんで本能のままに飛び出しちゃうの？

赤いジャージの二人が怪訝そうにこちらを見る。

「おっ、加瀬ー！野村ー！」

自分が迷子であるという状況をわかっているのかいないのか、日向も吞気に手を振ってくる。

金髪の青年が日向に何か話しかけるが、声が小さくて聞き取れない。

日向の声だけが届いてきた。

「ああ！おれと同じ学校の女バレ！」

「＿＿＿。＿＿＿＿＿＿＿？」

「あっ、そうそうおれ迷子になってたんだった！」

「＿＿＿＿＿＿」

私たちのことについて話しているであろう二人を一瞥すると、トサカの方の青年がこちらに視線を向け、にや、と笑う。

「なーんか後ろでこそこそしてんなと思ったら、お前らか」

「……すみませんでした」

「ごめんなさい！怪しいなと思って！」

「ちょっと君黙って」

正直に理由を述べてしまう帆夏の頭を押さえ、下げさせる。

彼が怪しかったのは認めるが、結局人探しをしていたのはお互い様だし、私らも私らで怪しかったのだ。

しかし、青年は気分を害すこともなく、むしろくく、と喉で笑ってから、いーよいーよ、と許してくれた。

何だよ超いい人じゃん。

金髪の人はトサカの人の方まで来ると、日向を振り返って、言った。

「またね、翔陽」

手を振った青年に、日向も手を振り返す。

「勝手にフラフラすんな」

「ごめん」

二人は、そう会話しながら去っていった。