マネージャーをする。 ページ27
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潔子先輩が体調不良で帰ったらしい。
そんな知らせが届いたのは、五月五日、午後練が始まってすぐのことだった。
彼女のご厚意に甘えて女子部の分までドリンクを作ってもらっていたので、なんだか申し訳ない。
武ちゃんに加え田中さんと西谷さんがマネージャー業をこなすというのだが、いや、ダメだろ。
日中の練習に参加している二年の先輩もそう思ったらしく、お前らは引っ込んでろというので女子部一年元気組が名乗りを上げた。
練習を怠ることなく、合間を縫って業務をするらしい。
それって可能なのか？と思っていたらいつの間にか私とちひろもやることになっていた。
そうなると、こっちの方が都合が良いだろうということで同じ体育館を使うことになる。
隣を使っていた男バスと交渉し、男子が広い方の第一体育館に移動してきた。
第一の半分は第二の全面みたいなところはあるので、広さに不自由はない。
私たちは少し練習を抜け出して、ドリンクを作ることにした。
ハイホーハイホーと小人さながら歌う元気組に、何で私まで、と声には出さないまでものろのろついて行くちひろ。
温度差ヤバすぎて風邪ひきそう。
普段の練習で作ってはいるが今回は人数が多いので急いで作業する。
「記録とかどうすんだろ」
「そこは部員内で回すでしょ」
雑談をはさみながらやっと作り終えると、二人一組でカゴを持ち上げる。
私たちは別に問題無いけどカゴ壊れそうで怖いわ。
ミシミシ言ってるね。
頑張れカゴくんたち。
片手にカゴの取っ手、片手に入りきらなかった容器を抱え、いったんそれを別の場所に置いておく。
体育館に戻ると既にそこは熱気であふれていて、男子はサーブレシーブの練習、女子はブロックジャンプの練習をしていた。
結先輩はこの合宿から練習を見直すつもりらしい。
男子もこの間からOBのコーチがついて、インハイ予選に向けて練習している。
なんでも烏養前監督のお孫さんなんだって、シンプルにうらやましい。
「ドリンクありがと！練習入って！」
「オエーイ！」
「豪快な返事……」
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作者名：にはろ | 作成日時：2020年3月5日 18時
