恋人はあなた。

29 玉森side ページ29

｢玉ぁ〜ちょっと待ってよ〜！｣




｢早く来いよお前。はぐれるだろ｣





今日は毎年恒例の市民まつりの日。

俺はあんまり来たことないけど、今年は宮田や藤澤さんたち会計課のみんなで来ることになった。


一応市が開催してるお祭りだから、みんなで運営本部の人達に挨拶だけしに行く。




この祭りの最後には花火が上がるから、その場所取りもすることになり、場所取り班と買い出し班に分かれることになった。


なんとなくの流れで俺は場所取り班になり、宮田が｢じゃあ俺も一緒に…｣と言うと、


｢ちょっと宮っち、あんた幹事なんだから一緒に行くよ！｣

と藤澤さんがすかさず言い、みんなに連れて行かれた。笑




結局数名だけその場に残ることになり、その中には千葉さんも居た。


彼女とは何回か遊んだけど、俺にその気が無いことに諦めたのか、例の同級生と付き合いだしたらしい。

｢私を振ったこと絶対後悔させますからねぇ｣
とか言ってたっけ。








すると、千葉さんが話し掛けてた。


｢玉森さんって、総務の前田さんと付き合ってたんですよねぇ？｣


アイツとは同期で、昔付き合ってた。



｢えっ、いきなり何？｣





｢この前同期の子に聞いたんです〜。ああいう人がタイプなんですねぇ。私と違って、なんか姉御肌っていう？デキる女みたいな｣





｢ん〜どうだろ｣


前田はそこまで仕事デキる感じじゃなかったけど…笑
ま、サバサバしてたのは確かだな。



｢うちの課で言うと、藤澤さんとか小泉さんあたりですかぁ？｣


…なかなか鋭いな。笑



｢確かに二人とも頼りがいあるね｣




｢てか、宮田さんと藤澤さんってどうなんですかねぇ〜。
あの二人って仲いいじゃないですかぁ？何も無いのかなぁ〜｣




は？宮田と藤澤さん？

…無いだろ、フツーに考えて。笑




｢そういうんじゃないと思うけどね｣





｢ま〜、宮田さんに藤澤さんは勿体なさ過ぎだし、あり得ないかぁ｣







そんな話をしていると、買い出し組が帰ってきた。

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