恋人はあなた。-９-

34 ページ34

すれ違って距離を置く度に、別れることも考えた。

そこまで嫌な思いしてまで、みっくんと付き合うこと無いよねって思ったり。

私を優しく受け入れてくれる人は、他にも居たわけだし。







…でも、違った。









｢別れようとか考えても、結局は、私もやっぱりみっくんじゃなきゃダメなんだなって思った｣



｢A…｣









｢私は…今までも、これからも、みっくんが一番好きだよ｣









何となく恥ずかしくて、少しうつむきながら言った。


けど、これが私の素直な気持ち。


なかなか普段は言えないんだけど…









すると、みっくんは私の顔をクイッとあげた。





｢…もう１回言って｣



｢え？｣



｢俺の目見ながら、もう１回言って？｣





みっくんは私の顔に手を当てながら、じっと私を見つめてる。









｢みっくんが…一番好き｣









私がそう言うと、優しいキスで唇を塞がれた。





そしてゆっくりと唇を離すと、おでこだけくっつけたまま、みっくんは照れたように笑った。









｢…もうマジで嬉しいわ。
自分で聞いといてアレだけど、もしこれで結婚やめるとか言われてたら、たぶん俺立ち直れない｣



｢私も嬉しかったよ。
何でか分かんないけど、みっくんとなら大丈夫な気がしたんだよね。
だから、信じるって決めたの｣



｢ありがと。絶対Aを裏切るようなことはしないから…
俺のお嫁さんになって下さい｣



｢フフっ。よろしくお願いします｣









｢あ〜A似の女の子とか生まれたら、可愛すぎて外に出したくなくなるかも｣



｢それ、娘に一番ウザがられるパターンだよね？笑｣









そんな、いつかやってくるであろう未来の話をしながら、私たちは向かい合って手をつないだまま、いつの間にか寝ていた。









夫婦になって、そのうち子供ができて…

家族になれば、これこら大変なことや辛いことがたくさん待っているかもしれない。




だけどそれ以上に、楽しいことや素敵なことがたくさん待っていると思える。







みっくんと一緒なら、きっと大丈夫。









幸せになろうね。









fin…★

作者より→←33 北山side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す