恋人はあなた。-９-

25 玉森side ページ25

俺は電車からボンヤリ窓の外を眺めてた。








結婚か…

俺には正直まだピンと来ない。

結婚した友達は居るけど、大半はまだ独身だし。





あーあ。

ついにAさんが他の人のものになっちゃうのか〜

でも、そうなったらさすがに諦めつくよな。

不倫とかそーゆーの無理だし、する気もない。





これで、俺の片想いは本当に終わりだ。









そんなことを思っていると、｢裕太？｣と声を掛けられた。


隣を見ると、リカが立ってた。







｢おっ、リカじゃん。今帰り？｣


｢うん。裕太も？｣


｢そうだよ｣


｢じゃーご飯でも行かない？お昼食べ損ねちゃってさ〜お腹ペコペコ｣








俺はそんなリカの誘いに乗り、次の駅で降りた。

少し歩くと、新しそうなオシャレな居酒屋があった。

どうやらリカが最近見つけたお気に入りの店だっようで、オススメを色々と教えてくれた。









・









｢そーなの？！じゃあ結局、裕太の片想いは実らなかったわけか…｣




｢そーゆーこと。ま、これで本当に諦められるわ｣




｢裕太…その人のこと本気だったもんね｣




｢…まあね。
でもその話してる時の幸せそうな彼女を見てたら、なんか良かったな〜って思えたのもホントなんだよね｣




｢そっか…｣





なんとなくだけど、Aさんへの気持ちは、このまま自然と忘れられそうな気がした。




するとリカが、｢そういえば…｣と、何か思い出したように言った。




｢あの感じ悪い女とはどうなったの？｣




｢感じ悪いって…笑。瑠璃ちゃんのこと？｣




｢そうそう！まさか裕太…｣



リカは怪訝な表情で俺を見る。






｢何もないって。てか、向こうは立派な彼氏居たしね｣




｢はあ？何それ〜！彼氏と裕太で二股かけてたってこと？｣




｢いや、俺はまだ付き合ってなかったから。どっちかっていうと、俺が浮気相手…みたいな？笑｣




｢マジであり得ないね〜あの女。ま、第一印象から良くなかったけど｣








それから瑠璃ちゃんの愚痴やら、リカのコンパ話やらをだらだらと喋り続けて、気付けば日付が変わっていた。


なんか居心地が良くて、ついつい長居しちゃったな〜






明日起きれるかな…

26→←24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す