第三十五話 ページ40
NOside
『さあ、この賭けに乗るか？』
「…」
フックは考えていた。このままこの条件を呑んだら、ずっと星牙と戦い続けることになる。だが、この話を持ち掛けたのは星牙自身。星牙は自分との戦いを望んでるでは無いかと思い始めた。しかも条件が殺すか、追い出すか。これは生かすか殺すかという選択だ。星牙は自分との戦いを求めている。だが、殺しもしない。
そう、あいつはある意味縛られなくて済むのだ。殺すという選択をしなくても追い出せばいい。あいつは殺すことを避けている。少なくとも自分には好意を持っているという可能性がある。
さて、この賭けに乗らなければ此島に滞在する意味がなくなる。此島を拠点とするならば、理由付けは出来る。だが、あいつはそれを望んではいない。なら、乗るしかない。そう考えたフックは星牙の賭けに乗ることにした。
「分かった。お前の賭けに乗るとしよう。だが…」
フックは疑問に思った。賭けとなればなにかしらの物が賭けられるという特典付きだ。賭けをするなら代償を決めなければならない。もしかしたら相手にもなにかしら代償を考えているのかもしれない。フックは代償を尋ねた。
「何を賭けるんだ？」
『お互いの命だ。どちらかが勝ったら相手を好きなように出来る。』
なるほど、人権を賭けた勝負ってことか。フックは承諾した。
『これでいいか？』
「嗚呼、構わん。」
そういうと星牙はちょっとした笑みを浮かべて『交渉成立と言うわけだ。』と星牙も承諾した。
『もう、夜遅い。明日から賭けの始まりだ。今回はお開きにしようぜ？』
「嗚呼、分かった。」
星牙は『子供たちが心配してるぜ…』と小声を漏らすと森の方へと顔を向けた。帰ろうとしたとき、星牙ははっと声を挙げ、フックに一言忠告した。
『…子供たちは巻き込まないでくれるか？あいつらは人の汚れすらもしらない純粋無垢な子供なんだ。もし巻き込もうとしたら…』
この場の空気が淀んだ。まるで星牙の一言に従うように綺麗だった夜がまるで全てを混沌へと陥れる歪んだ暗影の常夜へと変化を遂げた。フックは生唾を飲み込む。まるで人間ではないものを見ているような感覚が背筋に走る。
『【地獄】を見るぜ？』
『ははっ、冗談だ。じゃあな船長』
そう言って森の奥へと姿を消した。
フックはその場に立ち尽くすしか出来なかった。恐怖で体が言うことを利かなくなっていた。星牙のあの赤色に光る瞳を見てから。
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viola.(プロフ) - 白狐仮面2号さん» 勿論です！(￣^￣)ゞ (2017年12月20日 16時) (
レス) id: ddc75e0171 (このIDを非表示/違反報告)
白狐仮面2号(プロフ) - コメントありがとうございます！！これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2017年12月19日 18時) (レス) id: c42bd651b7 (このIDを非表示/違反報告)
viola.(プロフ) - 主もフック船長が…というかヴィランズの魅力に目覚めて好きになりました！…あ、話がそれました。面白いです！これから頑張ってください！応援してます！ (2017年12月17日 22時) (レス) id: ddc75e0171 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白狐仮面2号 | 作成日時：2017年7月12日 21時
