第三十話 ページ33
フックside
俺は森の中を歩いていた。勿論ピーターを探すためだ。部下達には森中を探せと命令して部下はあちこちへと散らばった。今俺は一人だけで歩いている。
いきなり見知らぬ森に入るのは不注意だったか…。木の陰で薄暗い森の道と言っていいのか分からない道を進んでいく。しばらく歩いていると次第に光が見えてきた。その光に向かって進むと大きな空間に出た。
そこには幻想的な情景があった。まるで清き純白よりも美しくどんなに磨きあげた宝石よりも輝く白い花。木々の隙間から射す日の日の陽。まわりにはその場を囲むように水晶のような小川が流れている。花弁に当たる太陽光が反射して余計輝かしい。
周りの情景に目が写ってしまい気づかなかったのか、ふとその花畑を見ると一人座り込んでいる女がいた。その様子だと俺と同じくこの情景にみとれているようだ。後ろ姿で顔が見えんが中々の美人さんだ…。
しばらく座っている女を見ているといきなり立ち上がりこの場から去ろうとした。思わず動くなと口に出してしまい引き留めてしまった。足を止めた女はゆっくりとこちらを向いた。
黒檀の黒髪。澄んだ瞳。まるで汚れを知らない白い肌。幼さを残した整った顔。細っこい体。黒い少女趣味の服装。まるで何処かの姫のようだった。
この森に住んでいる住人ならここら辺に出口は無いか知っているかもしれない。俺はここに出口は無いかと聞いた。名前を聞かれたので礼儀作法で答える。
「すみません。こちらから名乗るのが先でしたね。俺はジェイムズ・フック。海賊の船長をやっている。」
「えっ。わ、私は」
俺は自己紹介をすると目の前の女もはっとして自分の名前を言おうとするが少し黙り込んで少し考え始めた。まあ、海賊に名前なんて知られたら身が危険だからな。
「…ファウヌス。私の名前はファウヌスと言います。」
ファウヌス…確か農耕神の名前だったような…。そして俺はとある事に気が付いた。ローマ神話のファウヌスはギリシア神話の農耕神パンと同一視されていた事を思い出した。パン…こいつはピーター・パンと関わりがあるのか？
「なあ、御嬢さん。お前さんはピーター・パンについてなにか知っているか？」
そう聞くと女は少し体を強張らせた。なるほどピーターの事を知っているんだな…。俺はファウヌスに近寄り木へと追いつめた。そして顔を鉤爪で無理やり上げる。
「ピーターに関する情報を言えば見逃してやる」
「っ…！」
大人しく吐いた方が身の為だぜ？
1000hit記念！ 船長会議と言う名の井戸端会議�帰�←第二十九話
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viola.(プロフ) - 白狐仮面2号さん» 勿論です！(￣^￣)ゞ (2017年12月20日 16時) (
レス) id: ddc75e0171 (このIDを非表示/違反報告)
白狐仮面2号(プロフ) - コメントありがとうございます！！これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2017年12月19日 18時) (レス) id: c42bd651b7 (このIDを非表示/違反報告)
viola.(プロフ) - 主もフック船長が…というかヴィランズの魅力に目覚めて好きになりました！…あ、話がそれました。面白いです！これから頑張ってください！応援してます！ (2017年12月17日 22時) (レス) id: ddc75e0171 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白狐仮面2号 | 作成日時：2017年7月12日 21時
