第二十四話 ページ27
フックside
『あくまでも俺とお前は敵同士。そうだろ？』
「そうだ…よな…」
俺はそう答えることしか出来なかった。敵同士、確かに真実なのだ。だが、その言葉は何故かこの胸に突き刺さった。
何故こんな思いになったのかは分からない。もしかしたらこの物静かな場所のせいかも知れない。俺が感じた気持ちは、虚しい。悲しい。そんな感情。そもそもなんで敵に同乗されなきなゃいけないんだ。
俺は本当はそんなこと考えてなかった。もし、こいつが本当に孤独だったら、思いが伝わる奴がいたら良いなと少し期待してしまったんだ。
この気持ちを顔に出さないように、皮肉的にこう言った。
「せっかくお前に弱点を引き出そうとしようと思ったんだがな」
『そういうことだと思ってたぜ…』
そう溜め息吐く顔には少し寂しさがまだ残っていた。お前だって期待してんじゃねえか…。何故素直になれないんだよ。俺がそんなに信用ならないかよ！あぁ、そうだよな！俺は海賊だもんな！と感情を押し殺し、無理やり気持ちを切り替えた。押し殺した気持ちはピーターが発した言葉でまた蘇った。
『でもな、少しだけ嬉しかった』
「！」
『今までこの事を、悩みとして話したやつなんて居なかったからさ…。』
そう言うと少しだけ微笑んだ、偽りのない本心の顔で。その顔に俺は少しきゅんとした。そして胸のときめきを覚えた。だんだんと鼓動が急速する。相手は子供、しかも男。でも、あの顔はまるで女のように感じた。
なにやってるんだ俺は！と多分、赤らめている顔を振って正気に戻る。『どうした？』とピーターが尋ねてくるが、「なんでもねぇよ！」とぶっきらぼうに返した。
「敵同士っていたのはお前じゃねぇかよ」
『そうだけどさ、少し荷が軽くなった気がしたわ。ありがと。』
「変なこと言うんじゃねえ。なんで敵にお礼言われなきゃならないんだ。」
素直になれずにまたぶっきらぼうに返す。思わず顔をふいっと向く。その様子を見たピーターは『素直じゃないな』と笑われた。お前だって素直じゃないだろ。
『んじゃ、行くわ。子供たち腹空かしてるだろうし。』
ピーターは飛び上がり、中へ浮く。俺はピーターをまた引き留める。俺、引き留めすぎだな…。ピーターがこっちを向くとあくまでも敵同士だからなと忠告した。
ピーターは適当に返事すると遠くへと消えた。ピーターが翔んでいった空をまだ熱のある顔で見つめてまだ早く鼓動する左胸を抑えた。
あの、ガキ………
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
今日の童話
狼と七ひきの子やぎ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「成り代わり」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
viola.(プロフ) - 白狐仮面2号さん» 勿論です！(￣^￣)ゞ (2017年12月20日 16時) (
レス) id: ddc75e0171 (このIDを非表示/違反報告)
白狐仮面2号(プロフ) - コメントありがとうございます！！これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2017年12月19日 18時) (レス) id: c42bd651b7 (このIDを非表示/違反報告)
viola.(プロフ) - 主もフック船長が…というかヴィランズの魅力に目覚めて好きになりました！…あ、話がそれました。面白いです！これから頑張ってください！応援してます！ (2017年12月17日 22時) (レス) id: ddc75e0171 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白狐仮面2号 | 作成日時：2017年7月12日 21時
