: ページ38
紅茶を口に含むAをじっとフエゴレオンは見つめていた
何だかむず痒い視線に、Aはちらりとフエゴレオンを盗み見る
するとフエゴレオンは関心したように微笑んだ
フエゴ「すまない、なんだか可愛くてな」
A「?」
よく分かっていなさそうなAの顔
フエゴレオンは思わずAの頭をそっと撫でてしまった
こんなにも自分の話を真剣に聞き入れ、考えようとする
そんな健気な姿が可愛いと思ってしまったのだ
フエゴレオンには弟のレオポルドがいる
だがさすがにヴァーミリオン家の男児というだけあり、猪突猛進なタイプでAとは真逆
そのため余計にAのような子供は可愛いと思ってしまうのだろう
フエゴ「A、あれからユリウス殿とはどうなのだ?」
ユリウスの名前を出した途端、さっきまでいい雰囲気だったAの空気が変わってしまった
これは聞かない方が良かったかと後悔するフエゴレオンだがもう遅い
しょんぼりと肩を落とすAの様子を見たら良くないのは一目瞭然だ
フエゴ「すまない……答えにくい質問をしてしまったな」
A「……いえ、お父様がお忙しいのは仕方の無いことですから」
仕方ないこと
子供にしては聞き分けが良すぎるAに、フエゴレオンはやるせのない感情が湧き上がった
血の繋がらない親子であるAとユリウス
そのせいかまだ二人はどこか他人のような距離感になってしまうのだろう
フエゴ「A、子とは親に甘えていい立場なのだ
少しくらいユリウス殿に我儘を言っても良いのだぞ」
A「そんな……私がお父様に我儘なんて迷惑です
それに、もし嫌われてしまったら……」
ユリウスに見捨てられてしまえば、もうAは行くところがない
まだ子供の自分が外で生きていけるほど甘い世界ではないことを知ってるいるAは、追い出されないように毎日必死にいい子でいなければならないのだ
その気持ちを読み取ったのか、フエゴレオンは微笑みながら口を開いた
フエゴ「なに、もし何かあれば私を頼れば良い
だから安心して我儘でもなんでも言ってみろ」
A「!ありがとうございます、フエゴレオン様」
583人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そるてぃー(プロフ) - ひかるんさん» コメントありがとうございます!そうですね、夢主ちゃんがまた戦っている所私も書いてみたくなりました(*´ω`*)オリジナルか原作かどちらか分かりませんが、入れてみたいと思います! (2019年1月22日 17時) (レス) id: 4c470b8b97 (このIDを非表示/違反報告)
ひかるん(プロフ) - また夢主が魔法で戦ってるところ見たいです! (2019年1月22日 10時) (レス) id: 1d8d6a9a43 (このIDを非表示/違反報告)
そるてぃー(プロフ) - 実花さん» ですよね!!もうユリウス様の「なんだか楽しいね」セリフにノックアウトですよ!普段肌を出さない人の肌出しは心臓に悪いです(笑) (2019年1月16日 13時) (レス) id: 4c470b8b97 (このIDを非表示/違反報告)
実花 - プチッとクローバー、私も見ましたよ〜!魔法帝も脱ぐとは思わなかったのでびっくりしました!けっこうエロかったですね〜(笑) (2019年1月16日 8時) (レス) id: fc20ff55d9 (このIDを非表示/違反報告)
そるてぃー(プロフ) - 泡雪凜さん» あけましておめでとうございます!そう言って頂けて嬉しいです(*´ω`*)私もランギルスとフィンラルは好きで、今後のロイヤルナイツ選抜試験をアニメでやるのを楽しみにしてます!更新頑張りますね! (2019年1月3日 23時) (レス) id: 4c470b8b97 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:そるてぃー | 作成日時:2018年11月4日 16時