吸血鬼はクリスマスの夜に【ホラー】

第１３話　リリーの過去 ページ15

ルデイ「１５０年ほど前の事でした

リリー様は悪魔と吸血鬼のハーフとして生まれました」

A「って事は１５０歳！？」

ルデイ「１５０歳というのは人間にしてみれば高齢でしたね

吸血鬼はこの魔界では忌み嫌われている存在

ハーフなので吸血鬼からも悪魔からも仲間外れにされる生活を送ってきました

リリー様の唯一の友達が僕でした

といっても１０歳ほど年下ですけどね

幼少期のリリー様は本当に可愛いらしい子でした…今も可愛いですけどね…おっといけない鼻血が

そんなある日の事、リリー様は偉い悪魔の命令でここに幽閉される事になりました

しかも結界付きで

その偉い悪魔はリリー様を餓死させるつもりだったのです

だがその結界にはたった１つの弱点がありました

それはクリスマスの夜にだけ結界が緩む事です

だからリリー様は毎年その日に緩まった結界を破り、人間界へ食事に出かけるのです」

A「……結構辛い人生だったんだね。リリーも

って！結局アンタを食えない理由言ってないじゃん！あと鼻血拭こうよ！」

ルデイ「そうでしたね、

先ほどにも言ったようにリリー様は悪魔と吸血鬼のハーフです

なので完全な吸血鬼ではありません

本来の吸血鬼は悪魔の血も吸えますが、リリー様は悪魔とのハーフなので我々悪魔の血が吸えないのです

共食いできない生物なんですよ。悪魔は

だから吸血鬼も悪魔も、どっちの血も吸えない

だから人間の血を吸うのです」

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