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38夜 end ページ46

水樹さんに背負われ 校舎に入っていく

あんなに怖かった所が今では全く怖くない

俺の教室に向かい 勢いよく扉が開かれる

ざわつく教室

水樹さんの足は俺の席に向かう

机には いくつもの落書き 机の中はゴミだらけ

古典的ないやがらせだが 何度もされるうちに心は折れていった

クラスの視線が俺に向けられた瞬間 今までのことが走馬灯のように駆け巡り思わず水樹さんの服を握りしめる

水樹さんはカバンを手に取り平然と教室を出ようとした

「こ、こら!!部外者が入ってくるな!!」

精一杯の 注意なのかわからないがそれは 水樹さんの感を触る言葉だった

水樹「こんな時だけ教師面か、同じことをなん度も繰り返して そんなに人を傷つけるのが楽しいか
そうやって、自分を可愛がるのが楽しいか
俺の大切な人を傷つけて 殺しておいて、人間のすることかよ」

そう言い残して 強く扉を占めた

きっと 大切な人と言うのはA先輩のことだろう
それでも、自分にも言われている気がして嬉しくなった

門を抜けようとした時 どこからか視線を感じた

振り向くと 先輩なのだろうか、白いモヤのようなものがあった

見ているとなぜだか落ち着く

『1人じゃないよ』

『ちゃんと味方はいる』

『大丈夫、見守ってる』

『生きて』

頭の中に言葉が流れ込んでくる

『生きて』その言葉が頭の中に響く

水樹「お前は1人じゃない、俺がいる、あいつだってきっと見守ってくれてる
抱え込むな、辛くても簡単に死のうとするな
あいつの分まで生きろ」

頭に流れこんだ言葉が次は 水樹さんから言われる
不思議な感覚だ、でも 流れてきた言葉とは違う暖かさを感じた

水樹「俺の中では お前は大切人なんだよ、恵斗」

冷えきった体もか心もその言葉が一瞬にして優しく包み込んだ

あぁ、 もう流れることはないと思ってた

俺のもまだ涙は残っていたんだ

頬濡らす暖かい雫は紛れもない俺の涙

水樹さんの背中は居心地が良くて

今まで我慢していたものが全部溢れ出した

痛みも声も言葉も涙も

すべて この雨と一緒に流してしまおう

大丈夫、もう1人じゃない

俺にとって大切な人がそばにいるから


その日 雨は降り続き

次の日には 青い空が広がった


another story end

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氷雨(プロフ) - とてもいい作品でした。目から海水が止まりませんでした… (2020年8月3日 0時) (レス) id: e23249d0ee (このIDを非表示/違反報告)
爽雫 - 私は涙もろい方なのですが、やっぱりこの作品は号泣してしまいました。夢主の家族、結末辛いです…。横になりながら読んでて涙やばくて思わず起きてしまいました泣感動しました!この作品を投稿してくれてありがとうございます。 (2019年9月3日 23時) (レス) id: c8b0ff9423 (このIDを非表示/違反報告)
海戀 - とてもいいストーリーでした! 最後は目から塩水が大量です、、 (2019年8月4日 1時) (レス) id: a4dbcae652 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず味噌 - とてもいい作品でした。 (2019年7月20日 22時) (レス) id: 0ae31ba38b (このIDを非表示/違反報告)
白亜(プロフ) - とてもいい作品でした。いい作品… (2018年12月13日 18時) (レス) id: 44daa19fd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:餅草ぶんた | 作成日時:2013年6月15日 3時

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