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なかなか入ってこなかったが、やっぱり悪いという事になったのか、その人は入るのをやめたそうで。



 『というかやっぱいいですよ。疲れてるところに来てしまってるのも申し訳ないですし』

 「え〜そう?でもMVの感想とか俺にだけいうんじゃなくて他のメンバーにも聞かせたいくらい見てくれてるじゃん?」

 「え?そうなの?ありがとう」

 『う…阿部さんのアイドルスマイルやばいですね。こりゃオタクも惚れるわけだ』

 「え?惚れたの?」

 『まさか。私は推し一択なんで』

 「なんか鼻につくなぁ〜」

 「どの界隈の推し?」

 『今のは二次元ですね』

 「いいよねマックイーンとかマックイーンとか」

 『マックイーンしか佐久間さんは考えてない…?』

 「えーというかほんとにいいの?会わなくて…ふっかのこととか相当この前褒めてたじゃん」



そんな声が聞こえてきた瞬間俺の方を振り返って、ニヤニヤしてる笑みのラウールと余計誰や?と悩む康二。そしてこの騒がしさでも寝ようとする翔太。と三者三様に分かれた。


 『しー!え、これ聞こえてるんですよね?』

 「いや聞こえてないね」

 『ほんとですか阿部さん…』

 
阿部ちゃんさっき、うるさすぎてここ壁薄いんだから!声落として!ってマネージャーに注意されたこと忘れたの?確信犯じゃん…


 「というかもう行かなきゃ行けない時間じゃんくーさん」

 『うわほんとだ』

 「じゃあまた今度か…今度は絶対紹介させてね」

 『また機会がありましたら…ってあこれ皆さんで食べてください。この前撮影で行った時に買ったものです』

 「あ!これめちゃ美味しかったお菓子じゃん!いつ買ったの?」

 『佐久間さんが試食してる時に買いました』

 「ご丁寧にありがとうございます」

 「じゃあねー!!また明日?明後日!」

 『扉の向こうから失礼しました。お菓子ぜひ召し上がってください。そして騒がしくしてすみませんでした!』


そう言って黒野さんは消えていった。多分佐久間のくーさんという名前で大半は黒野さんと気づいてはいる。まぁお菓子で中和されてラウールとかはお菓子に持ってかれてるけど。


佐久間にMVで俺のことなんて言ってたの?って後で聞きに行こう。それを今度ゲーセンで会った時黒野さんいっていじってみよう。予想外の発見と楽しみができた俺は口角を上げながら2人とお菓子に夢中なラウールの元へと向かったのだった。



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作者名:蓮井さん | 作成日時:2022年2月10日 0時

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