女好き男と男好き女〔森山由孝〕No,3

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次の日学校へと行けば、私の席の周りにはバスケ部スタメンが集まっていた。
それをとりあえず見守っていれば、後ろから名前を呼ばれた。

後ろへ振り返ると、そこには1人の男。
相蔵石。手芸部の明るい男。文化祭の際にわいわいやったうちの1人。

彼と共に私もクラスの代表として色々やって。楽しんで。
彼だけじゃなく、クラスの皆とも文化祭だけの関係だと思っていたが、
未だにこのクラスは私を遠巻きに見ることはなかった。

それは、他のクラスの人たちから驚かれるほどに。
まぁ、鎌瀬さんは孤立しているみたいだけど。

瞳「あの人たちいつからいるの？」
相蔵「結構前？あ、そうそう。
咲夜さん今日の体育の授業、体育祭の練習だから外ね。」

そういえば、体育祭が近かったなと、何となく思い出す。
最近は色々あったから忘れてしまっていた。
去年は何だかんだ理由をつけて欠席したが、今年は無理だろう。

瞳「何で私に？」
相蔵「え？だってクラスリレーの1人だろ？それの練習。」
瞳「・・・よりにもよって、それ？」
相蔵「大丈夫！咲夜さん足速いんだろ？
俺は見たことないし、女子が言ってただけだけど！！」
瞳「そうじゃなくてね？・・・うん。わかった。ありがとう。」

このクラスリレー、男3人、女子3人の計6人で行うクラス対抗リレーである。
1位になればトロフィーが貰え、先生が焼肉奢ってくれるという噂もある。
この学校は運動部が多いし、まぁ力が入る入る。

去年は仲良くなかったから、私が組み込まれることはなかったが、今年は違う。
溜息を吐きつつ了承すれば、丁度チャイムが鳴った。
それにバスケ部の面々が教室から出てくる。

瞳「皆さんお揃いで。」
笠松「・・・お前わかってんだろ。」
瞳「どうかしら。」
クスクスと笑いながら皆を見送る。そして中へと入れば、森山君と目が会った。

瞳「そんなに見つめられたら穴があくわ。」
森山「・・・。」
瞳「それとも何かしら。一丁前に嫉妬心でもあるのかしら。」
森山「それはないよ！？」
瞳「あら、そうかしら。」

本当はそんな強くは思ってはいなかったのだろうその思いを引き出せば、
森山君はたちまち赤くなった。
少し、ほんの少しでも思ってしまった自分に気づいたのだろう。

難儀なことだ。

そんなことをしているうちに先生が入ってくる。
それでようやく森山君は話を逸らされたことに気づいたようだった。それに思わず笑う。

そんなこんなで授業は始まるのだった。

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