検索窓
今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:19,248 hit

129 ページ41

父親がコーチに初めてなる日。
学校で父親と鉢合わせをしないように学校を休んだ。
とりあえず家の片づけをしたり、スーパーへと買出しをしたりする。

美桜「ただいまー!!」
里桜「姉さんいるー?」
瞳「お帰り。2人とも。」

双子が帰ってくれば、彼らを抱きしめる。
最近父はバスケ部のことをするためか、よく早く帰ってきていた。
そんな父と彼らが鉢合わせをしないように2人には窮屈な思いをさせてしまっていた。

里桜「今日はあの人遅いの?」
瞳「ええ。バスケ部の練習って長いのよ。
それに付き合うんだったら随分と遅いはず。いつもごめんね。」
里桜「姉さんが謝ることじゃないよ。」

ふと里桜の目線が私の首元に向けられる。
正確に言えば、私の着けたネックレスに。
それを隠すように手で弄れば、里桜はあからさまに目線を逸らした。

美桜「ねぇお姉ちゃん。今日は何を作るの?美桜も手伝いたいな。」
瞳「・・・ええ。じゃあ今日は和風ハンバーグにでもしようかな。」
美桜「やった!美桜ハンバーグ好きだよ!!」

ニコニコとする美桜が里桜の手をとって、手を洗ってくると駆けていく。
それを見送ると、ネックレスを外した。

小さな花のネックレス。・・・私自身が昔父に貰ったものだった。

父『はい。中学入学おめでとう。』
瞳『これ・・・。』
父『ちょっと早いとは思ったけどさ、もう中学生だろ?だからさ、』
そっと父が私の首元にネックレスをつける。
それは小さな花のネックレス。母親も似ている物を着けていたような気がする。

父『俺が伊吹と付き合うときに送ったネックレスに似ててさ。思わず。
それにもう中学生だ。少しぐらい洒落ててもいいだろ。』

ケラケラ父は笑うと、私の頭を豪快に撫でた。
バスケはもうしなくなってしまったが、その手のマメはまだ健在だ。
だから、撫でられることは私にとって誇りであり大好きなことだった。
・・・バスケ得意な父に認められているような気がして。

ネックレスはそんな父との思い出の塊だった。まだ私が純粋で入れた頃の。
だから、それを汚すことで、私は私自身を許せないような枷にした。

男と一緒に過ごす時は絶対に着けて外さない。ネックレスを汚して、それに傷ついて。
やっていることに対して罪悪感を忘れないように。人を傷つけていることを忘れないように。

ネックレスを外して、一度キスを落とす。
それから戻ってきた2人とともに、私は料理を作るのだった。

130→←128*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
104人がお気に入り
設定タグ:黒バス , 森山由孝   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

花蓮(プロフ) - shinox2さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!更新は遅いのですが、これからもよろしくお願いします!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!! (2018年4月2日 23時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - カタミさん» ありがとうございます!これで良いのかなと思いながら書いているので、森山さんをカッコいいと言ってくださるのはとても嬉しいです。更新は遅くなってしまうのですが、頑張ります!! (2017年9月28日 21時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
カタミ(プロフ) - 初コメ失礼します!とっても面白いです!!森山先輩カッコいい……!!更新、楽しみにしてます!!頑張って下さい!! (2017年9月17日 21時) (レス) id: ebc33a095d (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - モナカさん» ありがとうございます!遅い更新で本当に申し訳がないです。出来る限り頑張ります! (2017年5月14日 2時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:花蓮 | 作成日時:2017年3月19日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。