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新しいコーチの紹介が終われば、また練習は始まる。
風春さんは、監督と話しつつ紙に色々と何かを記録しているようだった。

・・・ただ、それだけ。ただそれだけのことなのに、俺たちは緊張していた。
それをプレーに出すことはまずしないけど。

ちょっとした試合をやっている時、風春さんはじっと俺らを見ていた。
細めの目を開き、ただ無表情なその顔はどこかの桐皇選手を思い出し、ゾッとする。

笠松「一本!!!」
笠松の大きな声で我に返れば、俺もプレーに励むのだった。



練習が終わればホッと息を吐く。
結局、最後まで風春さんは俺らを見ているだけだった。

指示も出さずにただただ座っているだけ。
ゾロゾロと帰っていく部員もいれば、居残り練習をする人もいる。
そんな時に、風春さんの所にボールが転がっていった。

それを風春さんは拾うと、ただ一度だけドリブルをした。
そして、そのボールを空中へと放る。
それは綺麗にリングへと通った。それに監督は溜息をつく。

監督「やっぱ衰えてないな。」
風春「まさか。俺もトシだよ。この足ももう昔のようにいかないし。」

どこか寂しそうに風春さんは笑うと、バスケットのボールを見つめた。
トントンッと弾みが消えていくそれを見て、彼は何を考えているのだろうか。

風春「・・・あの頃が、懐かしいよ。色々とあったけど、あの頃が一番輝いてた。」
監督「俺らはタヒぬほど苦労したけどな。」
風春「・・・それもそうだな。」
ケラケラと風春さんは笑うと、俺たちスタメンの方を見た。
・・・否、正確には笠松を。主将を見た。

風春「なぁ主将。君はキセキの世代を入れる気はあるかい?」
笠松「・・・・。まだ、決めかねてます。」
風春「10年に一度の彼らを一度視たら良い。”見る”じゃなくて”視る”
彼らを化け物だと人は言う。けど、心の中まで視てやってほしい。
・・・俺たちに監督達がそうしてくれたように。それじゃあ俺そろそろ帰るわ。」

ヒラヒラと手を振りつつ、風春さんは帰って行く。
笠松はそんな風春さんを見て、まだ何かを考えているようだった。

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設定タグ:黒バス , 森山由孝   
作品ジャンル:アニメ
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花蓮(プロフ) - shinox2さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!更新は遅いのですが、これからもよろしくお願いします!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!! (2018年4月2日 23時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - カタミさん» ありがとうございます!これで良いのかなと思いながら書いているので、森山さんをカッコいいと言ってくださるのはとても嬉しいです。更新は遅くなってしまうのですが、頑張ります!! (2017年9月28日 21時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
カタミ(プロフ) - 初コメ失礼します!とっても面白いです!!森山先輩カッコいい……!!更新、楽しみにしてます!!頑張って下さい!! (2017年9月17日 21時) (レス) id: ebc33a095d (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - モナカさん» ありがとうございます!遅い更新で本当に申し訳がないです。出来る限り頑張ります! (2017年5月14日 2時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蓮 | 作成日時:2017年3月19日 23時

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