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125*武内監督side ページ37

瞳が出て行ったのを見てから溜息をつく。
手元に残っている紙には、昔よく見た名前が綴られていた。

”咲夜風春”

その名前は、輝かしくもあり、苦々しい思い出でもあった。
まだ新人だった俺に色んな無理難題を押し付けやがった問題児。

キセキの世代だと、イケメンだと。
何度も何ども何度も何どももてはやされ、最終的に潰れそうになった奴。

”バスケを、楽しいバスケを、俺はしてみたい。”

仲間達にはお前達がいるから楽ができると言われ、
信じていた仲間にも、お前には着いていけないと言われ、
それでもそれでも学校と仲間のために走ってきた彼を、
誰もが賞賛し、侮辱し、恨み、壊した。

あいつは表では笑い、哂い、裏ではずっと努力をしてきた。
だから俺は、俺らは、彼らと会うことにした。人生の先輩として、バスケの先輩として。

俺たちが教えることに彼らは目を輝かして喜んだ。
チームでのバスケをしようと努力して、彼らは強くなった。
・・・そして、まだ高校生だというのに、風春は1人の女子生徒を捕まえて子供をつくった。
もう一人のキセキの世代。結馬とは三角関係状態だったはずだが、
それでもあの三人は仲良く馬鹿をしていたのを覚えている。

そんなアイツが、アイツらが、今では人を教えたいと願い、人を救う立場にいる。
そのことにどこか目頭が熱くなって、首を振った。
けれど、それと同時に、瞳の凍った目を思い出した。

昔は、バスケを見れば目を輝かせて笑っていた娘が、
今はもう悪口や陰口が飛び交う渦中にいる。

”咲夜瞳”

その名前の少女が入学してきた際に、すぐにあいつの子供だってわかった。
けれど情報が回ってきて、すぐに違うと決め付けた。
・・・あの無垢な笑顔と、冷たい子どもが結びつかなかった。

結馬『・・・俺にも守秘義務があるからさ。』

そう言って笑った結馬を思い出す。
それに溜息を吐いてから、俺は名刺を取り出し電話をするのだった。

126*森山side→←124



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設定タグ:黒バス , 森山由孝   
作品ジャンル:アニメ
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花蓮(プロフ) - shinox2さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!更新は遅いのですが、これからもよろしくお願いします!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!! (2018年4月2日 23時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - カタミさん» ありがとうございます!これで良いのかなと思いながら書いているので、森山さんをカッコいいと言ってくださるのはとても嬉しいです。更新は遅くなってしまうのですが、頑張ります!! (2017年9月28日 21時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
カタミ(プロフ) - 初コメ失礼します!とっても面白いです!!森山先輩カッコいい……!!更新、楽しみにしてます!!頑張って下さい!! (2017年9月17日 21時) (レス) id: ebc33a095d (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - モナカさん» ありがとうございます!遅い更新で本当に申し訳がないです。出来る限り頑張ります! (2017年5月14日 2時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蓮 | 作成日時:2017年3月19日 23時

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