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普通に、いつもと同じような日常が過ぎていく。
そんなこんなで放課後になれば、放送で私の名前を呼ばれた。
それに周りがざわついているのがわかる。それに溜息をついた。
森山「咲夜ちゃん・・・。」
瞳「そんな心配する内容ではないと思うわ。どちらかといえば良い事かも。」
クスリと笑えば、森山君は目をパチクリさせた。
私はといえばそれに微笑み、職員室へと向かうのだった。
・
“失礼します”と声をかけてドアをあける。
一瞬目線が私に集まったが、すぐに逸らされた。
けれど耳を澄まされているのはわかる。
向かうのはただ1人の机。その人は私を見ると、向き直ってきた。
瞳「突然呼び出されたので驚きました。武内先生。」
武内「・・・昔のようには呼んでくれないのか。」
瞳「・・・・。もう私は辞めてしまったもの。昔とは変わってしまったわ。
私はもう昔のように無邪気ではいられなくなってしまったの。」
武内「・・・・。」
私達でいう“ゲンちゃん”もとい武内先生は黙り込むと私に椅子を勧める。
それに座れば、目の前に何枚かのプリントが出された。
それの1番上には見覚えのある字の羅列がある。
『コーチとして、力になりたい。』
そういう感じの内容の文字の羅列。
普段はパソコンを使っているから、見なくなってしまった字。
武内先生の顔を見れば、徐に溜息をつかれた。
武内「中には1人1人の課題点と、それに合わせたメニューが書かれていた。
・・・昔と変わらないな。あいつは。」
瞳「・・・・。」
それには何もいわずに微笑むと、そっとページを捲る。
何十年前と変わらない主将の顔が垣間見えたような気がして、その紙を撫でた。
私と母が大好きだった、あの顔。
瞳「・・・・。それで?武内先生はどうされるつもりですか?」
武内「は?」
瞳「誘いを受けるか、受けないか。それだけをあの人に伝えてください。
私には関係のないことなので。」
武内「・・・瞳。」
瞳「用事があるのでこれで失礼します。」
武内「まだ話は、」
瞳「私は終わりました。後輩を愛しているあの人が出した答えです。
私なんかが口を出せません。けれどもし、もし受けるというのならば、
あの人には何も言わず、聞かないでください。・・・それでは。」
話をこっちから終わらせれば、立ち上がりそのまま職員室を出る。
それから1度振り返ってから、私はいつもの日常へと戻っていくのだった。
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花蓮(プロフ) - shinox2さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!更新は遅いのですが、これからもよろしくお願いします!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!! (2018年4月2日 23時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - カタミさん» ありがとうございます!これで良いのかなと思いながら書いているので、森山さんをカッコいいと言ってくださるのはとても嬉しいです。更新は遅くなってしまうのですが、頑張ります!! (2017年9月28日 21時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
カタミ(プロフ) - 初コメ失礼します!とっても面白いです!!森山先輩カッコいい……!!更新、楽しみにしてます!!頑張って下さい!! (2017年9月17日 21時) (レス) id: ebc33a095d (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - モナカさん» ありがとうございます!遅い更新で本当に申し訳がないです。出来る限り頑張ります! (2017年5月14日 2時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蓮 | 作成日時:2017年3月19日 23時