123 ページ35
次の日目が覚めれば、隣には父の姿があった。
学校も休みだしと起き上がれば、1階へと降りて朝食を作る。
今日はご飯と鮭と卵焼きとちょっとした野菜といった、簡単な和食メニューだ。
風春「伊吹?」
瞳「風春さんおはよう。そろそろ朝食出来るよ。」
風春「ああ。ありがとう。今日はなに?」
瞳「風春さんが好きな和食作ってみたの。今日会社は?」
風春「・・・休みだよ。今日は伊吹とずっと一緒に入れる。」
瞳「最近忙しかったものね。さ、出来た。」
朝食を作って、机の上に並べる。
それからいただきますといってから、食べ始めるのだった。
・
瞳「・・・ねぇ、風春さん。」
朝食をとってから、父が皿を洗う。そんな父にそう声をかけた。
父はというと、水を止めて私の近くへと寄ってくる。
瞳「・・・海常のあの試合、覚えてる?」
そんな私の言葉に父は少し考えるように眉を寄せ、それから小さく頷いた。
瞳「・・・森山君達は、この前私を家に届けてくれた子達でしょ?
だから、だからね、少しでも助けたいって思うの。」
風春「・・・・。」
瞳「あそこはゲンちゃんが監督でしょ?ゲンちゃんにも恩返しできるチャンスだし。
私達、高校時代、ゲンちゃん達に大分迷惑をかけたしね。」
風春「・・・なぁ、伊吹。」
父に話しかけられたために、肩がはねる。それから口をつぐんだ。
何を言われるのだろうか。何をされるのだろうか。それが怖い。
けど、後悔はしていなかった。
風春「・・・・。何でもないよ。
さ、じゃあ可愛い嫁と、俺たちの可愛い後輩のために一肌脱ごうか。」
ニコリと父は笑うと、私の頭をポンとたたいた。
それから、机の上に置いてあったパソコンを開くとカタカタと手を動かす。
仕事が溜まっているのか、たくさんのふせんがついていて、少し邪魔そうだ。
そんな状態なのに頼んでもよかったのだろうか。
とりあえずお茶を入れるためにキッチンへと立つ。
キッチンから見た父は、輝いているような気がして、
この人もバスケ馬鹿だったと呟いたのだった。
104人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花蓮(プロフ) - shinox2さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!更新は遅いのですが、これからもよろしくお願いします!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!! (2018年4月2日 23時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - カタミさん» ありがとうございます!これで良いのかなと思いながら書いているので、森山さんをカッコいいと言ってくださるのはとても嬉しいです。更新は遅くなってしまうのですが、頑張ります!! (2017年9月28日 21時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
カタミ(プロフ) - 初コメ失礼します!とっても面白いです!!森山先輩カッコいい……!!更新、楽しみにしてます!!頑張って下さい!! (2017年9月17日 21時) (レス) id: ebc33a095d (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - モナカさん» ありがとうございます!遅い更新で本当に申し訳がないです。出来る限り頑張ります! (2017年5月14日 2時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花蓮 | 作成日時:2017年3月19日 23時