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まだ結馬さんが里桜と美桜を送っていないということで、
私はまた森山君の部屋へと入る。
森山君は私が森山君のお母さんと一緒にいる間に少し片付けていたようだった。

森山「母さんの手伝いありがと。」
瞳「夕食を頂いたからね。これぐらいは私にでも出来るし。」
森山君は掛け布団をかけながら座っているため、ベッドの近くの床で膝立ちする。
そして、そっとその手に触れれば、じんわりと暖かかった。
まぁ、私がさっきまで濡れたお皿を拭いているのもあったけど。

森山「・・・冷たいね。」
瞳「元からよ。」
まるで暖めるかのように森山君は私の手をその手で包み込む。

森山「・・・ごめんね。」
ぼんやりとそのままでいると、また森山君の口からその言葉が出てくる。
思わず目線を手から森山君の顔へと移す。その顔はやはり笑っていた。

瞳「謝るのは私の方よ。家族の場で泣いてしまって、」
森山「誰も気にしてないよ。・・・辛いもの、見せたかなって。」
瞳「それは、」

思わず声が震えるのがわかる。それに対しては何もいえなかった。
森山君の家と昔の家とを比べたのは確かだったから。

瞳「・・・・。ねぇ森山君。貴方はバスケについてどう思ってる?」
森山「え?」
私の急な質問に森山君は驚いたようだった。
それでも答えようとはしてくれてるみたいで、小さく唸る。

森山「辛いことがあっても続けて行きたいって思うほど好きなものだよ。
辞めたいと思うこともあったけど、あいつらのことも好きだし。
俺に出来ることは少ないけど、これからも支えていきたい。そんなもの、だよ。」
瞳「・・・もし、怪我をして出来なくなったとしても?」
森山「それは分からない。けれど、それまではずっとやりたいと思えるほどに、
青春をかけた、俺たちにとっては大切なものだよ。」

瞳「・・・・。本当に心の底からバスケが好きなんだね。
昔の、私のお父さん達と一緒。」

私が曖昧に笑えば、森山君は私の手を握る力を強くした。
それから私達は何も話さず、時間が許すまでそのままでいるのだった。

122→←120*森山母side



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設定タグ:黒バス , 森山由孝   
作品ジャンル:アニメ
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花蓮(プロフ) - shinox2さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!更新は遅いのですが、これからもよろしくお願いします!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!! (2018年4月2日 23時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - カタミさん» ありがとうございます!これで良いのかなと思いながら書いているので、森山さんをカッコいいと言ってくださるのはとても嬉しいです。更新は遅くなってしまうのですが、頑張ります!! (2017年9月28日 21時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
カタミ(プロフ) - 初コメ失礼します!とっても面白いです!!森山先輩カッコいい……!!更新、楽しみにしてます!!頑張って下さい!! (2017年9月17日 21時) (レス) id: ebc33a095d (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - モナカさん» ありがとうございます!遅い更新で本当に申し訳がないです。出来る限り頑張ります! (2017年5月14日 2時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蓮 | 作成日時:2017年3月19日 23時

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