検索窓
今日:32 hit、昨日:0 hit、合計:19,270 hit

114 ページ26

ただ時計の秒針が響く部屋。
気配で森山君がゼリーを食べているのは分かったが、振り向くことはできなかった。

けれど居心地は悪くなく、そのまま部屋を眺める。
青色・・・海常の色が散りばめられた部屋。所々にあるバスケに関わる物たち。
ああ、この人もバスケ馬鹿なんだなぁと目を細めていれば、机の上に目が止まった。

そこにあったのは、色とりどりの布や針金。
花の図鑑に、グチャグチャにしてある花の絵。描いてあるのは愛の花言葉で、
いつも貰うあの造花は森山君自身が作っていることに気づいた。

変な人、と思わず呟く。バスケのことで色々と大変だろうに何をしているんだろうか。
祥吾もそうだけど、どうして私のことを好きになってしまうのだろうか。
そして、私も。どうして森山君を、

カタリとスプーンを置く音が聞こえて我に返る。
ハッとして勢いよくそれに振り向く。

瞳「・・・食べ終わった?じゃあさっさと薬飲んで。欲しい物はある?」
森山「そこまでは頼めないよ。・・・早く帰りなよ。移るから。」
瞳「ここまできたら変わらないわよ。どうせろくに動けないんでしょう。」
森山「・・・ごめんね。」

またもや弱弱しく笑うその姿に、自分の幼い兄妹の顔が浮かんだ。
体が弱いからすぐに風邪を引く2人は、私に心配かけないように笑うのだ。
そして、母も。体が弱かった母もよく笑っていた。

辛くて苦しくて堪らないだろうに、それを押さえて笑う顔。
その顔は決まって弱弱しく感じていた。
それを思い出して、思わず森山君の手を取っていた。

森山「咲夜、ちゃん・・・?」
瞳「そんな風に笑う暇が有るなら、さっさと寝て。早く治して。
無理して笑う顔はあんまり好きじゃないわ。
貴方にはいつもの馬鹿みたいな顔の方がお似合いよ。」
森山「馬鹿って・・・。」

ふふと笑ってから、森山君の手が握られる。
それからすぅすぅと寝息が聞こえるようになれば、
森山君あての袋の中身を入れようと1階へと向かうのだった。

115*森山side→←113



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
104人がお気に入り
設定タグ:黒バス , 森山由孝   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

花蓮(プロフ) - shinox2さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!更新は遅いのですが、これからもよろしくお願いします!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!! (2018年4月2日 23時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - カタミさん» ありがとうございます!これで良いのかなと思いながら書いているので、森山さんをカッコいいと言ってくださるのはとても嬉しいです。更新は遅くなってしまうのですが、頑張ります!! (2017年9月28日 21時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
カタミ(プロフ) - 初コメ失礼します!とっても面白いです!!森山先輩カッコいい……!!更新、楽しみにしてます!!頑張って下さい!! (2017年9月17日 21時) (レス) id: ebc33a095d (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - モナカさん» ありがとうございます!遅い更新で本当に申し訳がないです。出来る限り頑張ります! (2017年5月14日 2時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:花蓮 | 作成日時:2017年3月19日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。