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笠松「っしゃ!!」
頬を両手で叩き、立ち上がる。
あんなに悩んでいたのは何だったかというほどに、心の中は晴れやかであった。
・
笠松「・・・俺、やっぱり主将の役目を受けることにした。」
その日の放課後。いつものメンバーを呼び出してそういえば、
小堀も森山もホッとした顔をした。
2人の顔には笑顔が浮かんでいるが、2人の顔色。
特に森山の顔色が悪かった。思い出すのはあのIHからの日々。
部活は先輩達がいる時は皆練習をするものの、いない時は全くヤル気がなかった。
そんな部活のメンバーを、森山が何度か注意をしてくれていた。
小堀が強く言うことが苦手なために、森山がしてくれていたらしいが、
それだけ反感を買うことも、負担もかかってしまったのだろう。
笠松「心配かけた。」
小堀「笠松、1人で抱え込まないでね。皆で支えていくから。
まだ力は2人には及ばないだろうけど、絶対に強くなって支えていくから。」
森山「俺も。先輩達に負けないくらいのいいチームを作って行こう。」
2人ともそう言って笑うと、俺の背中を勢いよく叩いた。
2人なりの気合いれなんだろうが、めっちゃくちゃ痛い。
それでも顔を顰めずに、あえて笑って見せた。
笠松「じゃあ練習始めるか!」
今度は俺の方から2人の背中を思いっきり叩く。
それに2人は小さく呻きながらも笑って見せた。
でも、それよりも気になることがあって、手を見てからソイツをじっと見る。
笠松「なぁ森山。お前痩せたな?」
森山「え?ああ。・・・いや、そんなことはないよ?」
笠松「一回肯定しただろ。大丈夫か?」
森山「いやいや。あまり心配するなって。ただの夏バテー。
さぁさぁ練習しなきゃなぁ〜。」
苦笑しつつ、森山が部室を出て行けば、俺と小堀だけが残った。
俺がポカンとしていれば、小堀は大きく溜息をつく。
小堀「結構今回の件で無理してたからね。ちょっと身体にガタがきてるみたい。」
笠松「悪いな。」
小堀「抱え込んだ笠松も悪いけど、何も言わない森山も悪いから気にしなくて良いでしょ。
女子相手にはポジティブのクセに、ほかの事に対しては弱いからねぇ森山は。」
笠松「全くだ。」
それからは部活の時間となり、俺らも部室を出て行くのだった。
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花蓮(プロフ) - shinox2さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!更新は遅いのですが、これからもよろしくお願いします!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!! (2018年4月2日 23時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - カタミさん» ありがとうございます!これで良いのかなと思いながら書いているので、森山さんをカッコいいと言ってくださるのはとても嬉しいです。更新は遅くなってしまうのですが、頑張ります!! (2017年9月28日 21時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
カタミ(プロフ) - 初コメ失礼します!とっても面白いです!!森山先輩カッコいい……!!更新、楽しみにしてます!!頑張って下さい!! (2017年9月17日 21時) (レス) id: ebc33a095d (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - モナカさん» ありがとうございます!遅い更新で本当に申し訳がないです。出来る限り頑張ります! (2017年5月14日 2時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蓮 | 作成日時:2017年3月19日 23時