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森山君が食べ終わったぐらいに、誰かが体育館の方から森山君を呼ぶ声が聞こえてきて、
森山君はびくっと肩を揺らした。多分休憩時間が終わってしまったのだろう。
それから森山君はやべっ!といいつつ立ち上がる。
森山「じゃあもう行くな!これありがとう!!」
瞳「ただの栄養食よ。気にしないで。・・・頑張って。」
森山「っ!うん!咲夜ちゃんのために頑張るね!!」
瞳「・・・変な人。」
森山君が走っていく姿を見て、立ち上がる。
それから大きく息を吸った。
瞳「いつか言うから!それまで待っててくれますか!!」
その背中に向けてそう叫べば、森山君は驚いたように振り返る。
それから頭上で大きく丸を作ってから、走っていった。それに思わず微笑む。
瞳「・・・やっぱり、変な人。」
何時の間にか心が軽くなってて。服の上から心臓の辺りを触る。
そのときには森山君はもう去っていたのだった。
・
家へと帰れば、もう父は仕事から帰っていたようだった。
結馬さんから、また伊吹が倒れたと連絡が入っていたのだろう。
父は心配そうな顔で私を迎え入れてくれた。
風春「おかえり。伊吹。」
瞳「ただいま。風春さん。」
そっと頬にキスをすれば、父も同じように私の頬にキスを落とす。
上着は父が脱がしてくれ、そのまま手を引かれてリビングへと向かえば、
今度は私の唇へとキスを落としてきた。それを受ければ、父の首に腕をまわす。
瞳「・・・ねぇ風春さん。少し我侭を言ってもいい?」
風春「?別に良いけど、珍しいな。」
瞳「ちょっとね、行きたい所ができたの。」
ふふ、と笑えば風春さんは私の頭を優しく撫でつつ抱き上げた。
それからソファへと座らされ、父も隣へと座る。
話を聞く時の父親のクセ。それに笑えば、父は首を傾げたようだった。
瞳「ねぇ風春さん。次の休み、もし私の体調がよくて、暇があったら―――」
私の提案に父は苦笑しつつも頷く。
それに私は父へと笑い返すのだった。
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花蓮(プロフ) - shinox2さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!更新は遅いのですが、これからもよろしくお願いします!! (2018年4月3日 13時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます!! (2018年4月2日 23時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - カタミさん» ありがとうございます!これで良いのかなと思いながら書いているので、森山さんをカッコいいと言ってくださるのはとても嬉しいです。更新は遅くなってしまうのですが、頑張ります!! (2017年9月28日 21時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
カタミ(プロフ) - 初コメ失礼します!とっても面白いです!!森山先輩カッコいい……!!更新、楽しみにしてます!!頑張って下さい!! (2017年9月17日 21時) (レス) id: ebc33a095d (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - モナカさん» ありがとうございます!遅い更新で本当に申し訳がないです。出来る限り頑張ります! (2017年5月14日 2時) (レス) id: 00d63b8144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蓮 | 作成日時:2017年3月19日 23時