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『彼奴はお前のことばっかり見てるからなァ』
茶化すように笑う晋ちゃんなのだが、私にとっては少々むず痒い。それすらも見透かしてはまた喉奥で笑った。
『お前は俺しか見てねェから気付かなかったんだよ』
今の晋ちゃんの発言に自意識過剰とか、ナルシストとかは思わない。だってそれは全て図星である。
だから私は何も言い返すことが出来ないのだ。
『別に、そんなことないもん』
しかしフラれた手前、唇は自然に尖って強がりを見せてしまう。そんな私を分かっているかのようにまた笑うから、瞬く間に頬は膨らんだ。
『相変わらず素直じゃないねェ』
少しだけ溶け始めた氷は袋の中で擦れ合い、まるで今の私と晋ちゃんの関係を表すようにカチャカチャと音を立てる。
私は小さく息を吸って、目の前に座る彼を見つめた。
『素直だったら、晋ちゃんは好きになってくれてた?』
そう聞いても彼はピクリと眉ひとつ動かさず、無言で私から目を逸らす。……これが、彼の応えだ。
しかし私はこう返されることは分かっていたのである。決して強がっているわけではない。
――ただ、本当にもう望みがないのか確かめて吹っ切れたかっただけ。
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ハル(プロフ) - りんごあめさん» りんごあめさん! またまたコメントありがとうございます!! そうなんですよ、高杉にフラれるんです。もう涙なしではかけませんでした笑 今度は高杉をカッコよく書く作品出したいなあとは思ってますので、その時も閲覧よろしくお願いしますね! ありがとうございました (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 音想さん» 切なすぎて銀さんがー……と私自身思っていたのですが、最後は無事にハッピーエンドを迎えました! 大好物でしたか! それは嬉しいです( ´ ∀`) これからもどうかよろしくお願いします! コメントありがとうございました! (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 本当に、ハルさんの作品は何を読んでも最高です!面白いだけじゃなくて、なんかその話にのめり込めます笑 私も高杉が大好きなので、振られるなんて…(;´Д`)ウウッ……と思いましたが、銀さんのかっこよさがヤバかったです!!とにかく、本当に良かったです! (2017年10月19日 0時) (レス) id: 7662a2da74 (このIDを非表示/違反報告)
音想(プロフ) - 切なすぎて尊すぎて死にそうでした…こういうの大好物です。凄い好きだー!!こんな素敵な作品を読ませていただきありがとうございました!これからの作品も楽しみにしています! (2017年10月18日 1時) (レス) id: 7258d80b20 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - あかあしえいたくんさん» そうなんです笑 最後の銀さんかもしれません笑 信者!? 私にも信者がいるなんて……! あかあしさんは私の信者のオンリーワンですね笑 ありがとうございます! その言葉を励みにこれからも頑張っていきたいと思いますので、よろしくどうぞ( ´ ∀`) (2017年10月12日 16時) (レス) id: 728b0d0f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年10月10日 18時