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結局居た堪れなくなった私は晋ちゃんよりも先に保健室を後にする。
足を引きずるように歩いていれば、私の影が誰かのと重なった。
『……大丈夫か?』
顔を上げて見るとそこに立っているのは銀ちゃんで、私は彼に小さく頷く。
『多分、大丈夫そうだよ。腫れてなかったし』
晋ちゃんの心配をするなんて珍しいと内心思っていたが、銀ちゃんは違うと首を横に振るう。人差し指で私を指差し、「お前は?」と聞いてきた。
そうして「当たってない?」と片方の眉を下げて私の身体を観察するように見てくる。
『私は、全然大丈夫……』
まるで自分に言い聞かせるように言ってしまったため、銀ちゃんは更に心配そうに私を見つめた。
その真っ直ぐな視線に耐えきれず、顔は自然と俯いていく。
『……もう直ぐ授業始まっから、教室戻るぞ』
そう言って私に背を向けた彼は先に歩き出す。
銀ちゃんと数歩分距離を置いて私も一歩ずつ鉛のような足を前に出し、教室までのなんてこと無い道を必死に振り絞って歩いた。
見なくても分かる。きっと今の私は、酷い顔をしているだろう。
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ハル(プロフ) - りんごあめさん» りんごあめさん! またまたコメントありがとうございます!! そうなんですよ、高杉にフラれるんです。もう涙なしではかけませんでした笑 今度は高杉をカッコよく書く作品出したいなあとは思ってますので、その時も閲覧よろしくお願いしますね! ありがとうございました (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 音想さん» 切なすぎて銀さんがー……と私自身思っていたのですが、最後は無事にハッピーエンドを迎えました! 大好物でしたか! それは嬉しいです( ´ ∀`) これからもどうかよろしくお願いします! コメントありがとうございました! (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 本当に、ハルさんの作品は何を読んでも最高です!面白いだけじゃなくて、なんかその話にのめり込めます笑 私も高杉が大好きなので、振られるなんて…(;´Д`)ウウッ……と思いましたが、銀さんのかっこよさがヤバかったです!!とにかく、本当に良かったです! (2017年10月19日 0時) (レス) id: 7662a2da74 (このIDを非表示/違反報告)
音想(プロフ) - 切なすぎて尊すぎて死にそうでした…こういうの大好物です。凄い好きだー!!こんな素敵な作品を読ませていただきありがとうございました!これからの作品も楽しみにしています! (2017年10月18日 1時) (レス) id: 7258d80b20 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - あかあしえいたくんさん» そうなんです笑 最後の銀さんかもしれません笑 信者!? 私にも信者がいるなんて……! あかあしさんは私の信者のオンリーワンですね笑 ありがとうございます! その言葉を励みにこれからも頑張っていきたいと思いますので、よろしくどうぞ( ´ ∀`) (2017年10月12日 16時) (レス) id: 728b0d0f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年10月10日 18時