18 ページ19
なかなか貼れずに苦戦している彼から冷えピタを奪い、代わりに貼り付けてやる。
しかし銀ちゃんは、「はぁ」と深い長嘆息を吐いた。
『悪いんだけどよ、やっぱお前帰ってくんね?』
『え……?』
「どうして」と聞いても濁すように教えてくれない。そんな銀ちゃんの顔をジッと見つめていれば、彼は観念して「顔が見たくない」と零す。
まさか一日でそんなに嫌われたとは思っておらず、私は「そっか」と呟きながら立ち上がった。
「お邪魔しました」と言う私の声に生気はこもっていなくて、よろける足取りで玄関まで向かう。
『あー、違う! 違くて!』
「ちょっと待て」と銀ちゃんに手首を掴まれる。その彼の手が熱く、私は余計に申し訳なくなってきた。
『あれだよ……お前の顔見てると、また好きになっちゃうから!』
そう言ってすぐに掌で顔を覆い隠してしまう。でもその隙間から見える顔が真っ赤で、これは熱だからなのだろうか。
――その時、私は銀ちゃんが見たいと思った。
見てくれない晋ちゃんよりも、彼を見たい。まだ見つめられるかは分からないが、銀ちゃんの気持ちに応えたいと思ったのである。
フラれる悲しさは私が一番良く分かっているのだ。だけど同情から銀ちゃんの好意に頷くことはただただ虚しいだけ。
余計な気持ちなど一切なく、「好きだから」という理由で彼を見つめたくなった。
118人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハル(プロフ) - りんごあめさん» りんごあめさん! またまたコメントありがとうございます!! そうなんですよ、高杉にフラれるんです。もう涙なしではかけませんでした笑 今度は高杉をカッコよく書く作品出したいなあとは思ってますので、その時も閲覧よろしくお願いしますね! ありがとうございました (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 音想さん» 切なすぎて銀さんがー……と私自身思っていたのですが、最後は無事にハッピーエンドを迎えました! 大好物でしたか! それは嬉しいです( ´ ∀`) これからもどうかよろしくお願いします! コメントありがとうございました! (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 本当に、ハルさんの作品は何を読んでも最高です!面白いだけじゃなくて、なんかその話にのめり込めます笑 私も高杉が大好きなので、振られるなんて…(;´Д`)ウウッ……と思いましたが、銀さんのかっこよさがヤバかったです!!とにかく、本当に良かったです! (2017年10月19日 0時) (レス) id: 7662a2da74 (このIDを非表示/違反報告)
音想(プロフ) - 切なすぎて尊すぎて死にそうでした…こういうの大好物です。凄い好きだー!!こんな素敵な作品を読ませていただきありがとうございました!これからの作品も楽しみにしています! (2017年10月18日 1時) (レス) id: 7258d80b20 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - あかあしえいたくんさん» そうなんです笑 最後の銀さんかもしれません笑 信者!? 私にも信者がいるなんて……! あかあしさんは私の信者のオンリーワンですね笑 ありがとうございます! その言葉を励みにこれからも頑張っていきたいと思いますので、よろしくどうぞ( ´ ∀`) (2017年10月12日 16時) (レス) id: 728b0d0f83 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年10月10日 18時