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『絶対にお前のことを泣かせない』
そう言って彼は私に手を伸ばす。細い指先は私の目元をかすめ、そのまま頬へと滑り落ちた。
私は今泣いていないのに、まるで流れている涙を拭うような行動。そんな銀ちゃんに私はゴクリと唾を飲み込んだ。
『……返事は今じゃなくていい』
『まだ高杉を見ててもいいけど、少しくらい俺のことも見てくんない?』
真剣な瞳と声に流されたのかもしれないが、私は彼に小さく頷いた。
それによりふっと笑った銀ちゃんは、私の頭にひとつ手を乗せてから再び自転車を押して歩き始める。
その夕焼けに染められている背中を見た時、ようやく彼が本当に異性の男なんだと言うことが分かった。
きっとこんなこと言うと怒るかもしれないから口には出せないけれど、銀ちゃんは晋ちゃんと同じ男。
橙色は振り向いて、「早く来いよ」と私のことを呼んだ。
突っかけるように踏み出した私はその彼の元へ駆け寄って行く。横に辿り着いた私を見て満足そうに頷いた銀ちゃんは、私のペースで歩き出した。
いつも追いかけてばかりだった私。ちっとも追いつかない晋ちゃんと違って、銀ちゃんは隣りを歩いている。
手を伸ばしたら触れられる距離にいるのに、私は満たされないんだ。
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ハル(プロフ) - りんごあめさん» りんごあめさん! またまたコメントありがとうございます!! そうなんですよ、高杉にフラれるんです。もう涙なしではかけませんでした笑 今度は高杉をカッコよく書く作品出したいなあとは思ってますので、その時も閲覧よろしくお願いしますね! ありがとうございました (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 音想さん» 切なすぎて銀さんがー……と私自身思っていたのですが、最後は無事にハッピーエンドを迎えました! 大好物でしたか! それは嬉しいです( ´ ∀`) これからもどうかよろしくお願いします! コメントありがとうございました! (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 本当に、ハルさんの作品は何を読んでも最高です!面白いだけじゃなくて、なんかその話にのめり込めます笑 私も高杉が大好きなので、振られるなんて…(;´Д`)ウウッ……と思いましたが、銀さんのかっこよさがヤバかったです!!とにかく、本当に良かったです! (2017年10月19日 0時) (レス) id: 7662a2da74 (このIDを非表示/違反報告)
音想(プロフ) - 切なすぎて尊すぎて死にそうでした…こういうの大好物です。凄い好きだー!!こんな素敵な作品を読ませていただきありがとうございました!これからの作品も楽しみにしています! (2017年10月18日 1時) (レス) id: 7258d80b20 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - あかあしえいたくんさん» そうなんです笑 最後の銀さんかもしれません笑 信者!? 私にも信者がいるなんて……! あかあしさんは私の信者のオンリーワンですね笑 ありがとうございます! その言葉を励みにこれからも頑張っていきたいと思いますので、よろしくどうぞ( ´ ∀`) (2017年10月12日 16時) (レス) id: 728b0d0f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年10月10日 18時