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永瀬は私の言葉を聞いて、首を傾げた。
廉「んー、これでも俺、結構Aさんの理想に近づくように努力してきたつもりやってんけどな」
「え？」
廉「営業成績上げるとか、身なり良くするとか、あ、あとはAさんが料理できる男が好きって言ってたの聞いて、料理の勉強始めたり！」
何それ、初耳。ポカンと開いた口が塞がらない。そんな私の様子を見かねた永瀬が、顔を覗き見てきた。
廉「引いてますか？」
「軽く？」
眉を下げて質問してきた永瀬には悪いけど。
廉「なんでー、こう見えても俺努力家なんですよ」
「へぇー」
努力家なのは知ってたけど、私のためだったの？きゅっと胸の奥が締め付けられた感覚がした。
永瀬は不貞腐れた様子で、私を見てきた。
廉「もう、全部Aさんのせいやで」
「私のせい？」
廉「Aさんが好きにさせたから」
「させたつもりないけど」
いきなり何を言い出すのかと思ったら。私が永瀬に何かしたことなんてないのに。言いがかりだ。
そう断言した私を、不服そうな視線で見つめた永瀬。
廉「嘘だ、覚えてないんすか」
「何を」
廉「俺が同じ部署になった時の歓迎会のこと」
記憶を引っ張ってこようとするも、パッと思い出せない。永瀬の必死な表情から察するに、何かやらかしたか？
「覚えてないな」
廉「ひど」
永瀬は落胆していた。さすがに申し訳無くて、頭の片隅の記憶を探す。
「確かあの時は、」
そうだ、あの日は3年付き合って結婚も考えていた彼氏と別れてメンタルズタボロだった日。
なぜか歓迎会は断れなくて、泣き腫らした顔で参加したんだっけ。
廉「Aさん、二次会で俺がたくさん飲まされそうになってた所、助けてくれたんですよ」
「そうだっけ」
一次会までは思い出せても、二次会まで行ったことは覚えてない。
廉「その後、店の隅で恋愛話したじゃないですか」
「もうその辺は記憶ない」
職場の飲み会で恋愛話するなんて、相当弱ってたんだな、としか思えない。しかも永瀬相手に。
永瀬は当時を思い出しながら話しているせいか、どことなくにやけている。
廉「Aさん、その時言ったんですよ。永遠の愛って無いのかなって」
「うわ、寒いこと言ってる」
永遠の愛を探しても良いのはディズニープリンセスだけで、アラサー近くの女が言っていいことではない。
廉「本当に覚えてないんすか」
「覚えてないよ」
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ぷぅ∞(プロフ) - sikiさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです(,,> <,,) (2022年11月3日 23時) (
レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
siki(プロフ) - 好きです。（（真顔））好きです！！！！！！！ (2022年11月3日 8時) (レス) id: 3fe02dba58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2021年5月5日 18時
