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蟲柱の策 蜜璃sido 弐 ページ10

そういう風に振る舞え?

何なんだろう




私にしのぶちゃんは何かを託そうとしている気がする


そうして自分は悔い無く死んでしまおうと。

私がそんなことさせない。

させたくない。


気づけば私はしのぶちゃんの羽織の袖を掴んでいた。


し「甘露寺さん?どうしたんです?」

蜜「”どうしたんです”じゃないよ。しのぶちゃん。私にはしのぶちゃんが死にたいと願っているように見える。なんで?しのぶちゃんは何故、自分の気持ちを殺してほかの気持ちを優先させるの?なんで?私はもっとしのぶちゃんと話したいの。甘味処とか行きたいの。生きてよ。

それに。

Aちゃんと線乃実の件もだよ。しのぶちゃんはなんでAちゃんが悪くないってわかってたのにAちゃんが悪いって言ったの?なんで?私わかんない。なんで自分の気持ちに嘘つかなきゃいけないの?ねえ?しのぶちゃん。もしカナエさんが言ったんだとしてもカナエさんはそんなこと思っていってないはずだよ。しのぶちゃんには”幸せに生きてほしい。”とか”自分の気持ちに嘘つかないでほしい”って思ったはずだよ。なのになんで?」


私は私が思うよりも怒っていたようだ。



『親友を守りたい』


その気持ちに嘘はない。


だからこそ想像するの。


私としのぶちゃんとAちゃんとで甘味処へ行くのを。


二人とも笑ってて仲良くて楽しそうで


でもそれは夢でしかなかったのね。

しのぶちゃんは死を願ってAちゃんとは絶交してて


でも想像するの



またいつか3人で甘味処に行くのをどこかに行くのを



鬼がいなくなって平和が訪れたらいつか



一緒に。


だから私は今の自分にできることをするの。


まずはしのぶちゃんに理解してもらわなきゃ。


蜜「し、しのぶちゃん。あのさ。Aちゃんが線乃実を虐めたと思ってるの?しのぶちゃんは”違う”って思ってる気がしたけど。答えてよ。ね?同僚で友達でしょ?
私は線乃実に、悪女に復讐したい。
償ってもらいたい。Aちゃんと私の仲良しだった子の分を。
だからさ。しのぶちゃんがもし私と同じ思いなら手伝って欲いの。」

し「甘露寺さん・・・。
私は復讐したいとは思っていませんよ。それにAさんが線乃実を虐めていたわけでは無いことも知っていましたよ。
ですが・・・
ですが私は臆病なので仮にも味方としていたいなと思っただけですよ。
線乃実をこの屋敷から追い出したのは他の誰でもない私ですから。せめてもの償いをと。」

作者のひとりごと→←蟲柱の策 蜜璃sido



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作者名:玉葉 | 作成日時:2021年8月25日 18時

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