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悪女の過去 ７ ページ22
しのぶは私が部屋に入ってきた時も目の前に座った時もニコリとすらしなかった。
’・・・・・。しのぶ。’
”！気安く名前を呼ばないでください。”
’なんで・・・？’
”これを・・・・。これを見てください！！！”
しのぶか見せたのは古い紙。
見た限りだと10年位前のことのようだ。
’これは・・・・？’
”貴女の出生記録ですよ。”
’ッ！！！’
本当の親が、家族がこの人達じゃないと分かっていたよ。
何もかも違ったから。
でも
これを見て分かった。
私は本当に胡蝶家の人間なんだって。
ならばこの屋敷の所有権は私にあるハズ
’しのｂ”分かりました？貴女は私と家族なんですね。信じられない。こんな人が私の【姉】だなんて。線乃実さん。貴女はこの屋敷の主人になれると思っていますよね？でも不可能なんですよ。この屋敷の主人はカナエ姉さんが決めましたから。姉さんの遺書を開封しようと思いまして呼んだんですよ。私が貴女を。貴女が私をいくら嫌っていようと血が繋がっているのでね。一緒に開けないといけないと思いまして”
しのぶが差し出したのは少し色褪せた薄紫の封筒。
差出人は勿論カナエ姉さん。
封筒の表には姉さんの字で
【線乃実としのぶへ】
と書かれている。
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作者名：玉葉 | 作成日時：2021年8月25日 18時
