二日目 空 ページ37
『ごめんなさい、待たせてしまったかしら……』
葵が私の心を救ってくれたあの日の翌日の今日、彼女の言った通りアースイレブンの女子でお出かけをするということになった。
すこし遅刻をしてしまって、小走りで待ち合わせ場所に駆けていけば、笑顔で私を出迎える好葉とさくら、そして葵が立っていた。
「大丈夫、私たちも今来たし」
そっか、と胸をなでおろしたとき、唐突にさくらが叫んだ。
「ちょっとー！A！何よその服は！いつもの服じゃない！」
『え、これじゃだめなの？』
前のめりで声をあげる彼女に若干引きながら言うと、あたりまえじゃない！と甲高い声で尚も叫んだ。
何がいけないのかわからない。
おしゃれは好きだが、大半の私服は月の都に置いてきてしまったし、初期にオズロックからもらった服もそこまで種類があったわけではないため着る服にレパートリーがなく、練習時と同じような服になってしまうのは致し方ないのではないだろうか。
「今日は女子会なんだから、もっといつもと違う服着なきゃ！よし、まずはショッピングしましょ！」
ほら、と強引に私の手を引いて進み始めるさくら。
この子の性格上、こうなったら止まらないのはみんなの知るところである。
だからか、葵も好葉も苦笑いしながらもそんな彼女についていくのだ。
――さくらおすすめの服屋に入ると、何から驚いていいのかわからないほどの驚きが私を出迎えた。
ガチャガチャと騒がしい曲が鳴り響き、おびただしい数の衣類が所狭しと並び、さらには若い女性のいらっしゃいませーという鼻にかかった声。
平安時代の日本しか知らない私にはすべてが滑稽にも奇妙にも見えるが、これが普通なのだろう、平成時代の女の子である三人は平然と私に似合う服を見繕い始めた。
「これなんかどうかな？」
「Aにはちょっと地味すぎない？」
「うち、これ、いいと思う……」
「え、でも女子会よ？派手に決めちゃってもいいんじゃない？」
「Aちゃんは、かわいいから何でも似合うんじゃないかな……」
「それは当たり前！」
『……』
女の子って、すごい。
なんていうか、パワーが……
話し込んでいるさくらと葵を見守ることにして傍らに棒立ちしていると、同じく彼女らについていくのに疲れ始めたのであろう好葉がトコトコと私に近づいてきた。
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名無しの太郎 - 素敵です！オズロック様に堕ちたらどうなってたのか気になります…！！ (2019年12月5日 22時) (
レス) id: d3b3bddaab (このIDを非表示/違反報告)
愛瑠(プロフ) - ルインさん» 返信遅れて申し訳ありません！はい、改めてよろしくお願いしますね！ (2018年8月28日 19時) (レス) id: 871e7b599c (このIDを非表示/違反報告)
ルイン(プロフ) - こんにちは、【キリサメ】から変えました。【ルイン】です！これからは、この名前で宜しくお願い致します。 (2018年7月8日 13時) (レス) id: a5db77accc (このIDを非表示/違反報告)
愛瑠(プロフ) - 歌紅羅さん» ありがとうございます！しばらく絶望的な更新スピードが続きますが、温かく見守っていただけると嬉しいです。 (2018年7月6日 20時) (レス) id: 871e7b599c (このIDを非表示/違反報告)
歌紅羅(プロフ) - この作品、最高ですね。 これからも頑張ってください。 応援してますよ！ (2018年4月23日 14時) (レス) id: e988874bd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とくにないです(愛瑠) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/baraannzu1/
作成日時：2017年5月7日 16時
