第128話 ページ2
何されるのかと心臓を高鳴らせながら目をぎゅっと閉じ構えていると、突如脇に違和感を感じた。
違和感というより、こそばゆい。
なんかむずむずする。
恐る恐る目を開けると、隼人が私の脇腹を撫でていた。
『なっ……ちょ、ちょっと！』
「お仕置き」
『はあ！？』
「いや、だからお仕置き」
『意味わかんな、い、しっ……てか、手つきがやらし……ひっ！』
思いっきり睨みつけた時、あろうことか指を立て、ランダムに動き始めた。
巷で言うところの、"こちょこちょ"である。
まさかこんな年にもなって食らうとは思っていなかった。
『あはははは！ちょ、や、やめっ……ひ、ひぃ〜！』
「フハハ！存分に苦しめ！」
『あああ〜ごめんなさいぃっ！ふ、ふふふふ……』
「食いもんの恨みは怖いって知らねえのか？知らねえよなあ、お前は一人っ子だもんなあ！」
隼人にくすぐられながらバタバタと暴れる。
まるで子供同士のじゃれあいのようで、大人であるにもかかわらず遊んでるのがすごくばかばかしくて、すごく楽しかった。
「……これくらいにしとくか。次はこれくらいじゃすまねーからな」
『はぁ……ごめんって』
「ま、別にいいけど。あれお前のだし」
『……は？』
ちょっとマテ茶。
さすがに今のは私の聞き間違いだ。そうに違いない。
じゃないとあまりにも理不尽すぎる。
「お前のだからあそこに置いたんだよ」
どうだ、うまかったか？と悪戯っぽい笑みで顔を覗き込んでくる。
そうだった、コイツは理不尽な奴だった。
つまり、隼人は私をうまく騙して遊んだだけだったのだ。
は、腹立つ〜〜！
『この……馬鹿ーっ！！』
渾身の力で奴のお腹に拳を飛ばす。
が、毎日鍛えている男の腹は想像以上に固く、その拳は隼人の温かい手にとらえられ、ぐっと引き寄せられた。
そして、チュッと軽く唇に口づけられる。
『んっ……』
「……ふっ、変な顔」
『さいてい……！』
「嘘、嘘。可愛いよ」
すぐ耳元で吐息交じりにささやかれ、無意識に肩が跳ねる。
あーもう、ムカつく。
私はおもちゃじゃないのに。
すっごく腹立つけど、きっと顔が熱いのは怒りのせいじゃない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 144人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「イナズマイレブン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
莉央夏 - 続きが気になりますー！ (2021年8月18日 8時) (
レス) id: e85eafe245 (このIDを非表示/違反報告)
さっちん - コメント失礼します。また更新停止になっていますが大丈夫ですか？これから先どうなるのか気になります！更新してくださいね。 (2020年10月9日 22時) (レス) id: 9ffba0b2d2 (このIDを非表示/違反報告)
もちもちにゃんこ(プロフ) - ずーーっとまってます！いつか続きが見れると信じて！ (2019年9月1日 0時) (レス) id: 5f0e397fd7 (このIDを非表示/違反報告)
愛瑠(プロフ) - はーちゃんさん» ありがとうございます！勉強のせいで更新が遅くなってすみません……がんばりますので見守っていただけたら幸いです (2018年6月29日 15時) (レス) id: 871e7b599c (このIDを非表示/違反報告)
愛瑠(プロフ) - みるみるさん» あああ優しいお言葉ありがとうございます…！更新遅くてごめんなさい！かならずいつか完結させますので応援していただけると嬉しいです。 (2018年6月29日 15時) (レス) id: 871e7b599c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とくにないです(愛瑠) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/baraannzu1/
作成日時：2016年3月12日 3時
