綺麗な貴方に薔薇を＿一輪目>>JK (ページ10)

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「カワイイ、か…」

目まぐるしい日々を送り週が始まったと思えばもう週末の休日。

数日前に事務所でユンギヒョンからのスイーツをみんなで分けていたときのことを思い出す。

俺がクリーニングのタグを取り忘れたというおっちょこちょいをやらかしたことが功を期して、
Aさんにタグを取ってもらえるというラッキーな出来事はあったものの、俺の中では冒頭のセリフが引っかかっている。

自分の中で相当引っかかっているのか、独り暮らしの部屋の中で思わず独り言を漏らしてしまうほど。

カワイイなんて言われるようじゃダメだよな。完全に後輩としてしか見られていない。

テヒョンイヒョンがよく”Aヌナ彼氏できた？”とかデリカシーがないことをよく聞いているけど、その度にAさんは”できないよ～可哀想でしょ私”と毎度のように返事をしている会話をよく耳にする。

Aさんに彼氏がいないんだとしたら、誰かに取られてしまってたまるか。

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「Aさん、この書類のチェックお願いしてもいいですか？」

「うん、いいよ。すぐチェックしたいんだけど、こっち終わってからでもいい？」

「もちろん、全然大丈夫です」

週が明け今日も今日とて仕事。
Aさんに書類をお願いしてAさんの前の自分の席に戻る。

週が明けても相変わらずAさんは綺麗で、書類に目を通す仕草さえ既に虜になっている。

ますます誰かに取られてしまうのなんて御免だ。

だから俺は、勝負に出た。

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