綺麗な貴方に薔薇を＿一輪目>>JK (ページ12)

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たった1枚の付箋で約束をこぎ付けることができたのは大きな成果だと思う。
でも逆に付箋たった1枚の誘いにノッてくれたこともちょっと不思議に思えた。

この休日でもうそろそろ本気で口説かなければと意を決した結果、
なかなか社内で二人になれる時間もタイミングもないのでこのような誘い方をしたわけだけど、
何せ俺はAさんの連絡先を知らないのだ。
今回食事に誘ったことで連絡先を聞くつもりではあるけれども。

しかしまあ、ポーカーフェイスを保っていられるほどこんなに嬉しいことはないわけで。

ニヤけが止まらなくなるのも時間の問題だから、とりあえずコーヒーブレイクでもしなければ。

廊下に出て自販機に行き、ブラックコーヒーのボタンを押す。

取り出し口にコーヒーの缶が勢いよく落ちてくると同時に、お手洗いから人影が。

「「あ」」

出てきたAさんと声が重なった。

ドキンと心臓が今日で一番跳ねたけど、俺はまだ付箋の話の続きをしなければならない。

とは言ってもここは廊下だから、手短に…

「Aさん、さっきの付箋のことですけど、」

「うん、食事だよね。…ユンギはいなくていいの？」

「はい、二人がいいです」

「仕事の悩みとか…？」

「いえ、Aさんとお話したくて」

「そっ…か、私は全然いいけど…いいのかな、なんか」

「何でですか？」

「いや…ジョングクくんとご飯行きたい子なんて他にたくさんいるし…」

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