綺麗な貴方に薔薇を＿一輪目>>JK (ページ13)

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ここは廊下だからなのか単に言いにくいのか、
小さくモゴモゴと話すAさんでさえ可愛いと思う俺は末期かもしれない。

そして何故だかそんな表情を見ると会話の主導権を握った気になってしまうあたり、やっぱり末期だろう。

「でも、俺Aさんと行きたいです」

「うん…まあでも飲み会とかない限りなかなかゆっくり話す機会ないしね。同じ仕事してるのにお互いのことあまり知らないし」

と思ってOKしたんだけど、とAさんが続けた。

俺はそういう意味で誘ったんじゃないけど、まあいっか。いずれわかることだし。

廊下では人が多く行き交っているので、俺も考慮して小声で話す。
必然と距離が縮まるので、いつもよりもAさんとの近い距離にドキドキしている。

「俺もそう思います。何食べたいですか？」

「どこかオススメある？」

「そうですね、この前の打合せの休憩中に美味しいお店が出来たって聞いたので、そこ行ってみません？」

「そうなんだ！気になる！じゃあそこにしようか」

時間を合わせて会社から一緒に行こうということになった。

本当に手短に話してお互い席に戻って仕事を再開したのだけど、俺はその日どうしてもニヤける顔に力を入れるしかなかった。

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