祀り姫は宿儺の器に成り代わる弐【呪術廻戦】

94章、暖かな現実 ページ47

意識は戻り目を開ければ、そこには七海と五条の姿があった。

｢あ、起きた大丈夫？悠里｣

｢大丈夫ですか？虎杖さん？｣

｢先生？…七海さん？｣

｢あなた…熱で2日間寝込んでいたんですよ…覚えてますか？｣

2日…彼女はその現状に眉を下げ2人に頭を下げた。

｢私のせいで取り逃しちゃいましたね…すみません｣

彼女の言葉に
2人の大人はため息を吐くと
彼女の頭をワシャリと撫で回す。

｢うわ！？なんです！｣

｢子供は気を使わないでいいの！｣

｢病み上がりの子供に心配されるほど私達は落ちぶれていませんよ｣

彼女はその2人の手の温もりを感じながら
恥ずかしそうにむつ向いた。

一方、呪術師から逃げた真人は
宿儺にやられた傷と姫こと虎杖悠里の事が頭から離れなかった。

あれが呪いの王…両面宿儺現時点では漏瑚より呪力の総量はいくら姫の中にいても劣るはず
なのに…あの存在感。

魂の格が違う！！

これは確信だ。俺達が全滅しても
宿儺さえ復活すれば呪いの時代が来る。
それに、姫もおそらく宿儺の爪がしっかりかかっているだろう。
つまり、人の手には万が一でもない限り
渡らない…

だが、

｢どうしてかなあ？今どうしょうもなく姫が欲しい…体も心も全部欲しい…あぁ…｣

｢もどかしい…あぁでも奪えるチャンスは何度でもあるか…だって姫は俺達呪いのなんだから…｣

どうしたら姫は堕ちてくれるのかなあ？
魂を揺さぶって…魂を壊して…
俺だけが味方になれば…

狂気的な笑みを浮かべ

｢姫…そろそろ人間といるの辛くなってるんだろ？だから……早く堕ちておいで姫……｣

そう彼女の写真を胸から取り出しキスをした。

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