祀り姫は宿儺の器に成り代わる弐【呪術廻戦】

85章、ツギハギ呪いは姫を掴む ページ38

彼女の視線の先に立つのはツギハギの呪い。
彼は吉野をみてつまらなそうにため息を吐いた。

｢なんだ……つまらないの、死んでるかと思ったのに姫は生かしたんだあ？なんで？｣


｢順平ってさ、熟慮は時に短慮以上の愚行を招くもの……の典型じゃん？姫嫌いなタイプだと思ったのになあ｣

「だからぶつけたのに〜」

ヘラヘラと笑いながらその呪霊は彼女に近づいてくる。彼女は警戒しながら順平の前に立った。

｢まあ元々形変えて玩具にするつもりだったからまあいいっか｣｢あなたは呪い？まるで人みたいだね｣

｢あははっ知ってるくせに！俺にはわかるよ姫！！姫と同じく魂が見えているからね！｣

呪霊は楽しげに自身の腕を組み替えながら
順平を狙った。彼女の心を揺さぶるように
だが、彼女は彼に悲しげに笑うと、
目を覚ました順平がまた怖い目に遭わないように彼女は彼を術式を使い逃がす。

「順平は殺させないよ……
彼はお母さんと幸せに暮らすの……」

「だから、気安く触ろうとしないで？術式天壱神隠……」

「わあ！今の姫の術式？すごいや！
魂事隠されちゃった……でも、そんなに術式使って大丈夫？」

彼の言葉に目を見開く彼女。

「あははっ姫の術式ってさ……かなり人離れしてるみたいだね？自身で縛りもしてるみたいだし？実はあまり使えないんじゃない？」

「本当によくわかるんだね……真人くん」

「名前呼んでくれるなんて嬉しいなあ！！」

高揚とした雰囲気を出しながら
真人はひたすら彼女を攻撃し続ける。
まるで彼女の体力をすりへらす為に彼は攻撃をし続けているようだった。

「本当はね？順平を殺して！さらに心を揺さぶるつもりだったんだけど！！十分姫は嫌だったのかな？」

「姫？魂が揺らいでいるよ？」

身体の形状…いや魂を変える術式か
魂のゆらぎ…そんなの順平にあった頃から散々揺らいでいたでも……

「あなたも私を狙ってるんでしょ！…」

「当たり前だよだって君は俺たちの姫だからね!!」

真人の攻撃を避けながら
彼女はひたすら考える。
なら、私が捕まることはきっと許されない
これから起こる未来のために、
私は真人くんに捕まっては行けない。
もうすぐ七海さんも来るはずだ。
まずは合流して……
その時だった。
真人は彼女の考えがわかったかのように、
呪力を込め
彼女を腕から形成した棘で串刺しにした。

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