僕の友達には好きな人がいる ページ18
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「A。最近、二ー二ーの様子変じゃないか?」
リリィが万聖街『1031』に来てからしばらくして、アイラが突然、オレにそう言ってきた。
「変って?」
「前にテレビで恋愛ドラマ流れてた時に、やけに顔を赤くして照れてたり、今日なんかも二ー二ー宛に荷物が届いてたけど、見ろよこれ」
アイラが見せてきた宅配物には、「ニール・ボーマン」と宛名が書かれている。大量の本を購入したようで、丁寧に本の名前がズラリと書かれたレシートまで付いていた。
「何じゃこりゃ」
「な?変だと思うだろ。変な宗教にハマったりしてなきゃいいんだけどな……」
「普通にありえそうだから止めろや」
※
昼間、リビングでオレ、二ー二ー、アイラは各々好きな事をしてくつろいでいた。
「二ー二ー、なんか悩みでもあるんじゃないか?」
テレビゲームをしていたアイラが、ボーっとしていた二ー二ーに直球でそう言った。
「悩み?ある訳ないよ」
二ー二ーは顔を赤くし、「ないない」と手を横に降っていた。
「いつでも相談に乗るぞ」
「金の貸し借りは無理だけどな〜」
アイラとオレはそう言い、再び好きな事を始まる。
始めはモジモジしていた様子を見せていたが、しばらくして二ー二ーはオレ達の方を見た。
「実は……僕の友達、最近好きな子が居て……彼がどうやってモテるか気になってるみたいで……」
二ー二ーの口からその言葉を聞き、オレとアイラは口元を緩めてニヤニヤした表情を浮かべた。
「んだよ二ー二ー!可愛い所あんじゃんかよぉ!」
「ちち、違うよ!僕の友達が気になってる子が居て!」
オレの発言に否定的な様子を見せたが十中八九、二ー二ーの悩みだ。
「俺さぁ、イギリスでは結構モテたんだよ」
「いいじゃんいいじゃん!アイラ大先生の出番!」
「俺様に任せとけ!」
アイラはタキシードとシルクハットを用意すると、二ー二ーに着替えさせる。次に花束を出してそれも二ー二ーに渡した。
「最後に愛を込めて抱きしめて、首をガブーっと……」
「それ、おめーらの所のスキンシップやんけ!」
二ー二ーは顔を真っ赤にすると、アイラから離れていく。
「バレちゃった!」
「今更かよ……」
「猿でも分かるわ」
自分の悩みである事がバレた二ー二ーは部屋の隅に縮こまっていたが、アイラとオレはそう言った。
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作者名:阿野 | 作成日時:2022年11月26日 19時